世の中には、一般人の目に触れない秘密の集会が存在します。政治家の密会などはその一例ですが、ある日編集部に、猫好きが集まる秘密の「猫会(仮)」へのお誘いが届きました。著名人もメンバーだというその会に、とりあえず行ってみることに……。

 今回、猫会(仮)の会場となったのは都内の居酒屋「つぼ八」。ここは2019年に期間限定メニューとして、ケチャップで猫の顔が描かれた「にゃんこオムライス」(1品につき10円を保護猫活動支援に寄付)が提供されたことでも知られています。

 国会議員や、声優の清水愛(@aitter_smz)さんなども名を連ねる猫会(仮)。主催しているのはゲームクリエイターであり、総務省 地域力創造アドバイザーでもある蛭田健司(@k_h00)さん。そして創設のきっかけとなったのは、3DCG・VR映像制作会社、株式会社白獅子の春名義之代表取締役です。

 今回集まったのは、猫ツイートをよく行っている企業・商品公式Twitterアカウントの「中の人」が中心です。その顔ぶれは、アイラップ(@i_wrap_official)さん、サリールちゃん(@Salir_Air)、マクセル(@maxellJP)さん、カシオ計算機株式会社(@CASIOJapan)さん、つぼ八(@tsubohachi8)さんに加え、VRなどXRの世界で活躍するはいえろ(@omeme_1231)さん、そしてテレビやイベントでMCを務める荒木美鈴(@MISUZU_zip)さんら。

 公式Twitterアカウント「中の人」は、色々活動に支障がある場合もあるので、写真では姿を明らかにできないのが残念ですが、みな素敵な方ばかりでした。もちろん、猫好きであることは言うまでもありません。

 この会が誕生するきっかけは、蛭田さんと春名さんが仕事を共にしたことでした。蛭田さんが仕事のお礼に、春名さんに人を紹介しようとなった際、春名さんが条件として提示したのが「猫好きな人」。

 実は春名さんの会社、登記上は春名さんが代表取締役になっていますが、社長は白猫の白(しろ)。さらに常務のメイプルをはじめ、猫だらけの会社なのです。

 春名さんによると猫の在籍数は28。全て保護猫だそうです。そして社内のルールとして「猫を数える時は『1猫、2猫』と数える」「猫を飼っているのではなく『猫と住まわせてもらっている』と表現する」「猫のエサではなく『ごはん』と呼ぶ」というのがあり、守れなかった場合には減俸もあるとのこと(もっとも、春名さん自身もうっかり言ってしまうこともあるそうです)。徹底した猫ファースト企業なのです。

 春名さんの会社、白獅子の社員である“黒猫”さんの指には、同じネコ科のヒョウがリングになって乗っています。うずくまる姿がかわいいですね。

 そういった訳で、蛭田さんは猫好きな人々を春名さんに引き合わせ、いつの間にかその猫好き人脈が広がり、会として発展したとか。今回集まった企業・商品公式Twitterの中の人も、猫好きなご縁でつながったという訳です。弊社も猫社員がいる(現在は2代目のラッキーが在籍)ので、お誘いをいただきました。

 会の席には、出席者の皆さんから挨拶がわりに提供された品々が。この中で特に猫がフィーチャーされているといえば、CASIOさんの毎日22時22分(にゃんにゃんタイム)にツイートされるスコティッシュフォールドの「カシ子ちゃん」をフィーチャーしたカレンダー。

 乾杯と共に、様々な猫談義が始まります。それぞれ猫とのなれそめを語ったりしたのですが、サリールちゃん(共立電器産業株式会社)お世話係のホモサピさんは子供の頃インコを飼っていて、野良猫にインコがたびたび襲われた経験があり、その影響で猫に良い印象がなかったとのだとか。それがちょっとした偶然で、障害のある子猫を保護したことをきっかけに、猫を愛するようになったのでした。

 小脳の形成不全により、後肢の自由がきかない愛猫に宛てた手紙を持参したサリールちゃん(お世話係のホモサピさんは元プロボクサーで総合格闘技の経験もある方なのですが)。その手紙は直筆で書かれ、出席者の感動を誘いました。

 また、出席者から事前に募集した猫動画を1本にまとめた作品も、蛭田さんから公開されました。音楽もついていて、みんな「ずっと見てられる……かわいい」とデレデレ。この動画は蛭田さんのTwitterでも公開されています。

 そして、つぼ八さんのご厚意により今回特別に復活した「にゃんこオムライス」が到着。北海道で2019年2月に登場、次いで本州の店舗で2019年6月24日〜7月31日の期間限定で展開されたメニューです。

 本来はお店のスタッフの手により、ケチャップで猫のイラストが描かれるメニューなのですが、今回は出席者がめいめいに猫イラストを描くことに。つぼ八から参加しているもう1人の方が、実はプレスリリースの写真でオムライスに猫を描いた人だと明らかになり、まずはお手本を。



 全部で6つのオムライスに、それぞれ個性的な猫のイラストが描かれました。並んだオムライスを食べる前に、みんなスマホで記念撮影。





 オムライス自体は、正統派のチキンライスに薄焼き卵といったもの。せっかくかわいく描けたのに、壊して食べるのがもったいない……と思いつつも、おいしくいただきました。

 この猫会(仮)、参加してみたい!という方もいらっしゃるかもしれませんが、著名人の参加者目当ての人が集まっても困るので、猫好きな方に限って招待されるという形になっています。猫好きをアピールしていると、いつか招待状が届くかもしれませんよ。

取材協力:猫会(仮)

(取材・撮影:咲村珠樹)