暑さも和らぎ始めた頃、やってくる蚊の猛威。蚊といえば夏というイメージがありますが、一番の繁殖に適した時期は、春から秋にかけての気温が25度~30度になる時期だそうです。

 そんな夏の厄介者を長年撃退してきた夏の風物詩「蚊取り線香」を刺繍というカタチで表現した人がいました。

 制作したのは、以前にも刺繍でリアルな「ピザ」を再現してTwitterで話題をよんだ刺繍画家のipnotさん。今回の作品も、Twitterで紹介したところ1.5万の「いいね」がつくほど話題を集めていました。

 今回の作品制作にも、フレンチノットステッチという技法が使われています。玉どめのように、針に糸を巻き付けて縫いあわせるという技法。

 蚊取り線香の少しザラッとした質感や、燃焼部分の色合いも見事に表現されています。実際には、掲載されている3色(緑、白、オレンジ)の刺繍糸以外にも、少し違う色を織り交ぜながら作っているそうです。


 この作品で特に気になったのが作品の硬さ。蚊取り線香を指で持ちあげても、へたっとなっていないところを見る限り、厚紙か何か硬い台紙に縫い付けているのでは?と思い、聞いてみると「蚊取り線香もいつもの刺繍と変わらず布に刺繍したものです。フレンチノットで縫い敷き詰めているのでしっかりとはしています」と、教えてくれました。

 新しい作品が生まれる度に表現の幅が広がるipnotさん。今後の作品にも注目していきたいと思います。

<記事化協力>
ipnotさん(@ipnot)

(黒田芽以)