梅雨の時期になると活発になる、カエルたち。田んぼではカエルの大合唱がそろそろ聞こえてくる頃です。ウシガエルやヒキガエルに比べて可愛らしく感じられる、みどりのアマガエルは子どもがついつい触りがち。そんなアマガエルについての注意喚起がツイッターに上がっています。

 「アマガエルが増えてきた。かわいいけど触ったら手を洗おう。そのまま目や傷口をこすると激痛が来るからな。やつらには毒がある。最悪失明もあるけど、さっと水ですすげば大丈夫だ!微毒だからな。これは細菌から体を守る策。攻撃する気は無いんだよ。これから大発生するけどさ、怖がらないでね。」と、アマガエルたちのセリフを写真に付けてツイートしているのは、但馬牛の生産地「兵庫県美方郡」で但馬牛の繁殖牧場・精肉販売・削蹄業を営んでいる田中畜産の田中さん。アマガエルたちのセリフには「アマガエル触ったら手洗おうね」「言っとくけど俺らみんな毒あるからね」「微毒だけどね」「最悪失明すっからな!!」……最後のセリフ、何だか凄みが利いているような……。

 このツイートには、「3才位の頃、アマガエルを掴んだ手で目を擦り痛くて大泣きした」「小学生の頃、(アマガエルを触って目をこすったら)とても痛みが激しく、涙で前方が見えないまま帰宅した記憶があります」などという経験談が多数。なかには「幼稚園の時に触った手で目をこすって視力がほとんどなくなりました…回復せず…」というショッキングな後遺症も……。

 アマガエルが体の粘膜から毒を出すのは、温暖な湿地帯に棲むことで細菌やカビ類が付着しやすいので、粘液にわずかな毒を含ませることでこれらから身を守っていると言われています。人間の表皮に触れても強い毒性は示さないようですが、傷口や目などの粘膜に付着すると、毒が細胞を溶かす働きをするため、最悪失明につながるということです。

 さらに、カエル類には寄生虫がいる場合もあるので、触った手を口に持っていくことも危険です。もし子どもがカエルを見かけて連れて帰ってきたら、あわてず騒がず、カエルを野に返して手を洗うようにしましょう。

<記事化協力>
田中一馬さん(但馬牛農家の精肉店・田中畜産/@tanakakazuma)

<参考>
Characterization of a hemolytic protein, identified as histone H4, from the skin of the Japanese tree frog Hyla japonica (Hylidae)

(梓川みいな)