2020年8月末にTwitterで流行した「〇〇わかんないよ~!」ネタ。いわゆる業界内では常識とされていることでも、門外漢にとっては全然分からない……という用語やネタについて自虐的に表現したイラストですが、そのネットスラング版が投稿され、インターネット老人会を中心に反響を呼んでいます。

 このイラストを投稿したのは、とらうとさぁもんさん(@Harpuia_tomo)。これまでにも「ぷよぷよ」をはじめ、様々なネタイラストをTwitterやYouTubeのほか、pixivでは「とも」の名前で投稿していらっしゃいます。

 とらうとさぁもんさんがTwitter上で「わかんないよ~」のミームが広がっていたので、ネットスラングでパロディにしてみたら……と「古のネット用語わかんないよ~!」の言葉とともに投稿されたイラストは、主に1990年代後半~2000年代に多用されていたネットスラング。特に匿名BBS「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」で使われ、そこから波及した言葉が紹介されています。

 BBSである「2ちゃんねる」では、掲示板(スレッド)に書き込みするユーザー数が多く、話の流れが速いのが特徴。話の流れについていくには、素早く入力することが求められます。

 ここで生まれたのが「kwsk(くわしく)」「gkbr(ガクブル=ガクガクブルブルと戦々恐々とする様子)」「ggrks(ググれカス=いちいち質問しないでそれくらいGoogleで検索しろよカス)」「(ry((略))」「JK(語尾につくと「常識で考えろ」単体では「女子高生」)」「DQN(ドキュン=TV番組「目撃!ドキュン」でよく取り上げられた、色々と生き急いでいる人たち)」といった短縮表現。また、入力を焦って変換ミスしたことから派生したのが「希ガス(「気がする」の入力中に変換した)」。

 このほかにも「直リン(じかりん/ちょくりん=直接リンクURLを書き込む行為。マナー違反)」や「微レ存(微粒子レベルで存在するかもしれないほどの僅かな可能性)」「今北産業(「今(スレッドに)きたので経緯を把握するため素早く3行で教えて」の省略表現)」といった略語や「age(書き込み頻度が少ないとスレッド一覧での表示位置が下がって見つけにくくなるので、定期的に書き込みをしてスレッドを上位にキープしておく行為)」といった、2ちゃんねるの仕様ならではの言葉も。

 さらに、もともとプログラマー向け掲示板発祥の「ぬるぽ(対処に結構労力を使う、プログラミング言語Javaのエラー的例外処理「NullPointerExeption」から、疲弊してウンザリしている気持ち。書き込まれたら「ガッ」と気合を入れ直してやるのがお約束)」が挙げられています。

 専門用語は分かりにくいものが多い傾向にありますが、ネットスラングは特に「内輪のコミュニティ」意識が強かっただけに、知らない人からしたら「日本語でおk」という感じでしょうね。今は「SNSはやってるけど、インターネット使ったことない(SNSがインターネットを利用したサービスであることを知らない)」という世代がいるくらいなので、ネタとしてだけでなく、本当に知らない人も多いんだろうなぁ……。

<記事化協力>
とらうとさぁもんさん(@Harpuia_tomo)

(咲村珠樹)