普段生活していて、見えているもの、見えていないもの、たくさんの事象があります。そして、目が見える人はいかに視覚に頼っているか。目を閉じて自分の部屋の中を歩こうとするだけでもつまづきそうになるほど、目から見えるという事に頼った生活を普段からしています。でも、これは当たり前のように見えて実はそうでもないのです。そんな、「当たり前」ではない世界に暮らす人に声を掛けた時の言葉がツイッターで話題になりました。

 「駅で白杖を持って壁際に立ってる男性がいたので『お手伝いすることありますか?』と聞いたら『ありがとう。知人と待ち合わせしてるんで大丈夫。またよろしくお願いします』と。最後の一言って多分、また自分を見た時はじゃなくて『困ってる人見たらまた声かけてあげて』って意味だろうなあ。優しい人。」と、とある視覚障害者とのやりとりをツイートしているのは、ツイッターユーザーのまちさん。

 今は大丈夫だからその優しさを他に譲って、という事なのでしょう。この優しさの連続は、ツイッターでさらに広がりを見せています。視覚障害者のツイッターユーザーからは感謝を述べる声が次々と集まり、まちさんの優しさからくる声掛けに賛辞の声が続々。

 駅のホームや歩道で白杖をついている人を見かけても、なかなか声を掛けにくいと思う人も多いと思います。断られたら恥ずかしい、って思う人もいるかもしれません。でも、先述の視覚障害者の人のように「またお願いします」って言われたら……?ただ、断られるよりもずっと心地の良い印象でその場を終える事ができそうに思います。

■ もし、白杖を持って立ち止まっている人がいたら

 もし、白杖を持って立ち止まっている人がいたら、皆さんはどうしますか?もし困っていそうなら、斜め前か、横から声を掛けてあげてください。「何かお手伝いできることはありますか?」と。後ろから声を掛けるとびっくりして転んでしまうかもしれません。そして、もし断られたとしてもそれは全く恥ずかしい事ではありません。困っているかもしれない人に声を掛ける事自体、素敵な行動なのですから。

 因みに白杖の方のエスコート経験がないという方は、各自治体などがリーフレットを配布している場合もあるのでぜひ参考にしてみてください。ネットでは港区社会福祉協議会などがPDFデータを配布しています。

 そして、善意の行動が何気なくできる人はとても格好良く見えます。まちさんの様に、自然に素敵な気遣いのできる人が、より多くの善意を生むのではないでしょうか。

<記事化協力>
まちさん(@much4444)

(梓川みいな/正看護師)