全盲の声優兼ナレーターのなおやさんは、声の仕事をする傍ら、ツイッターを駆使して視覚障害に関する発信なども行っています。主に視覚で情報を得る事ができるツイッターの画像にひと工夫をする事で、より視覚障害者が情報を得やすくなる内容をツイートしています。

■ 最近増えている長文のスクリーンショットにひと手間を

 「(できればご協力を)twitterにて長文を投稿する際、画像を出す方が増えていますよね。わたしたち #全盲 の場合、そのままでは確認ができません。画像に説明を追加ボタンから出したところに、本来投稿する予定だった文をコピペしていただければ読めますので、できればお願いします」

 なおやさんがツイートしたこの方法、意外と知られていなかった様で、なおやさんのツイートには「知らなかった」「今度使ってみます」「これはためになる情報」と、知らなかった人が多かった様子。

 テレビの画面に聴覚障害者用の字幕を付けるのと似たような感じかと筆者は個人的に思っています。この方法さえ覚えておけば、障害のあるなしにかかわらず、全ての人が情報を得る事ができます。これもバリアフリーのひとつですね。

 最近では140文字以内で伝わらない長文を画像にしている人も多くいます。より多くの人に知って欲しい内容を、その機能を使って視覚障害者にも届ける事ができます。

 人間が情報を得るために主に頼る感覚は視覚で、全感覚の80%以上を占めると言われています。しかし、視覚から情報を得ることが難しい視覚障害者は、スマホの読み上げ機能を使う事で画面上の文字の読み上げを聞いて情報を得ています。

 iPhoneなどであればボイスオーバー機能を駆使し、Android機であれば設定からユーザー補助の項目に入り、スクリーンリーダーを使う事で、文字と画像に付いている情報の読み上げで情報を得る事ができています。

■ 実は以前から実装されていた機能がより使いやすく

 
 今回なおやさんが紹介した、画像説明を登録する機能。ツイッターに画像を投稿する際、一緒に説明文も登録しておくと、他のテキスト読み上げ機能(もしくはアプリ)で説明を読み上げさせることができるのです。

 この機能自体は数年前に実装されており、ユーザー側の設定でONにする事ができ、写真に説明文が書ける様になっています。(PCからの設定:もっと見る→設定→アクセシビリティ)。日本版ツイッターでは2020年5月28日から、より簡易にツイート時の画像の説明を追加する事ができるようになりました。
 
 PCからであれば、画像添付時に右上に出てくる「編集」からトリミングマークの隣にある「ALT」に切り替え、1000文字までの内容を入力する事ができます。



 また、スマホのツイッターアプリからであれば、画像を添付する時に「説明を追加/ALT」をタップする事で説明を入力する事ができます。この入力された内容が、読む側の視覚障害者が読み上げ機能(もしくはアプリ)を使ったときに、読み上げられる項目です。


 要するに、画像で伝えたい長文も、画像の説明を使う事で、ツイートと一緒にその説明文も読み上げてくれるのです。聴覚からしか情報を得られない人にとって、「これかわいい」というひと言と一緒に付けられた画像には、説明がないと何がかわいいのかが伝わりません。

 しかし、画像に説明文を入れる事で、読み上げ機能がその説明文を読んで伝えてくれるので、その画像が子猫がじゃれている内容であれば、画像の説明に「真っ黒な子猫が一生懸命おもちゃにじゃれている」と入力するだけで、ある程度想像が付くようになります。

 本稿を読んだ皆さんの中にも、既に知っていた人も、初めて知ったという人もいると思います。もし、初めて知ったのであれば、こういった機能を使う事で少しでもバリアフリーに近づけると覚えていただけると、筆者も嬉しく思います。

<記事化協力>
なおや@不可能を可能にする男さん(@noy_0207)

(梓川みいな)