中米の国、グアテマラのジャングルで、古代マヤ文明に関する新発見がありました。上空からレーザースキャナーを使って走査するという、最新の調査方法を用いた結果、多数の人工建造物の存在が明らかになったのです。その数およそ6万。しかもこれらの建造物は、相互につながった大都市や幹線道路、要塞や大規模な農場など様々な痕跡が連なっており、大きな都市圏の様相を呈しており、これまでの常識を覆すものでした。この調査に密着したドキュメンタリー番組が2月14日午後9時より放送されます。

 これまで、マヤ文明の都市は大部分が孤立して存在しており、それぞれが自給自足して暮らしていたと考えられてきました。このため、全体の人口規模も100万〜200万人と推測されていましたが、今回の発見で、それを大きく上回る2000万人ほどの人口があったのではないかと推測されています。

 今回の調査は「ライダー調査」と呼ばれる最先端の手法で行われました。上空からレーザーを照射し、表面をスキャンすることでジャングルの木々に隠れた建造物の存在を探知し、そのデータを立体的な地図としてモニタ上にデジタルマップとして描き出すというもの。これにより、肉眼では判別が難しい密林に覆われた人工的な建造物の存在が地図上に浮かび上がり、その形や位置が測定できます。

San Diego, CA – After, experts in front of screen, Tikal site. LiDAR (Wild Blue Media)

 マヤの古代都市として有名なティカル周辺も改めてレーザースキャナによる調査が行われ、かつての想定よりも3〜4倍の大きさを持った都市だったことや、新たに要塞跡が発見されたことで、大規模な戦争に従事していたという新しい説が裏付けられる結果になりました。

 番組では調査チームのメンバーであるナショナル・ジオグラフィック協会の探検家、アルバート・リン氏が、このライダー調査で発見されたピラミッドを実際に踏破する様子も紹介されます。また、マヤ古典期(西暦250〜900年)にマヤを治めていた蛇(カーヌル)王朝(蛇の頭の紋章文字を使っていたことからこう呼ばれる)にも注目し、政略結婚や傀儡王を利用して、巨大なマヤを支配するまでに上り詰めたその過程にも迫ります。

 古代マヤ文明の新発見に迫るドキュメンタリー番組「マヤ文明 密林に隠された真実」は、CS放送ナショナルジオグラフィックで2018年2月14日の21時から放送されます。

画像クレジット:(C)Wild Blue Media

(咲村珠樹)