家来が主君に反逆する謀反。特に下剋上の世の中だった戦国時代ではたびたび発生し、配下の武将から謀反を起こされることは、ある意味主君の側も想定済だったかもしれません。

 それと同時に、謀反を企てて挙兵したものの、相手が想定していた場所にいない、ということも考えられます。そんなうっかりさんの謀反人に最適な「謀反の不在票」が、Twitterで公開されました。

 この不在票を公開したのは、日本史などをネタにしたパロディ画像を作っている会社員のスエヒロさん。これまでにもタイムリーな日本史ネタの画像を作っては、Twitterで公開していらっしゃいます。

 今回公開された不在票の記入例は、1582年に発生した「本能寺の変」が下敷きになっています。史実では京都の本能寺に滞在していた織田信長を明智光秀が夜襲していますが、もし「敵は本能寺」にいなかったら……。

 そんな時に便利なのが、この不在票。明智光秀はさまざまな史料や説話から、几帳面な性格だったことがうかがえるので、丁寧に用向きを伝え、再度の来襲を知らせるこのサービスを利用するかもしれません。

 不在票には、謀反される織田信長が利用できそうな「辞世の句お預かりサービス」も記載されています。謀反で討ち死にする際は現場が混乱し、せっかく辞世の句を詠んでも失われる可能性がありますから、ありがたい配慮ですね。詩歌が苦手でも、専門スタッフによる添削対応があるのも安心できます。

 また、謀反があった際には宿願を果たしたものの、他の家臣からの返り討ちにあった、ということも起こりえます。それに対応し、謀反人が返り討ちにあった場合、新たな主君を擁立する「謀反後アフターケア」サービスもあるようです。いち早く状況を平定でき、お家と領地の安堵が期待できそうですが、指定した主君が討たれるリスクもあるようですね。

■ 「敵に塩を送る」際の送り状も公開

 スエヒロさんは続けてのツイートで「敵に塩を送る」際の送り状も公開しています。こちらはどうやら上杉家が運営しているようで、サービス名は「宅塩便」となっているのが特徴。

「敵に塩を送る」際の送り状(スエヒロさん提供)

 送り状は複写方式になっているようで、記入の際は「太線枠内を筆で強くご記入ください」とあります。感圧紙というよりは、筆を強く使うことで墨が下の紙まで浸透するように、ということかもしれません(混乱)。

 塩には海水から作るもの、岩塩、塩湖から作るものと種類はさまざま。このため、品名欄に種類を間違わないように記入することが求められています。相手の好みを考え、適した塩を送りたいものですね。

 オプションとして、上杉謙信が直々に配送するサービスや、上杉毛が信奉する毘沙門天のご加護を付帯するサービスも。どちらもスケジュールや毘沙門像の設置といった事前の準備があるので、希望する際は考慮しないといけません。

 こちらの送り状は記入例ではなく空欄となっているので、気になるライバルに塩を贈る際、重宝しそうです。ちなみに、送り状左側の上下に記載されているQRコードですが、Wikipediaの「敵に塩を送る」へのリンクとなっています。

<記事化協力>
スエヒロさん(@numrock)

(咲村珠樹)