しばしばネットなどを騒がせる、悪質な「撮り鉄」による無法な行為。中には鉄道営業法違反だけでなく、器物損壊や威力業務妨害、脅迫罪にも問われそうな事案もあります。しかし、悪質なマナーからいい写真は生まれない!! 1月20日に発売の老舗カメラ雑誌『アサヒカメラ』2月号は撮り鉄のマナーを考える特集です。

 1月20日発売のアサヒカメラ2月号は、毎年恒例の「鉄道」特集。特別付録を含む全127ページのなかでも今回は、撮り鉄のマナーを考える特集記事「嫌われない『撮り鉄』になるために!」を掲載します。はたして、撮影愛好家はどう振る舞うべきなのかーー。

 「悪質な撮り鉄は車を使うことが多い」「場所取りしても良い写真は撮れない」など、写真家と元鉄道員の証言から特集しています。最近の「撮り鉄」による事件簿からマナーの実態を明らかにするとともに、マナーと写真の出来栄えの相関関係について写真家が分析。悪質なマナーからいい作品が生まれない理由についての論考も見逃せません。

 この特集について、アサヒカメラ編集長からは以下のようなメッセージが寄せられています。

 「鉄道撮影のマナーの取材中、はたと気づきました。これは風景や動物の撮影マナーの問題と酷似している、と。一つの被写体に大勢の撮影者が群がり、場所取りで醜い争いをし、環境を害し、周りに嫌悪感を抱かれる。撮影された写真は紋切り型になりがちで、大して面白くもない写真が量産される、という構造です。もっとも、写真なんてルールの許す範囲で、好きに撮ればいいと思います。でも、大勢の撮影者が集まる場所に身を置く際は、そのことを意識してみてはいかがでしょうか。それだけでもマナーの問題は大きく改善されると思います」

 そのほかもアサヒカメラ2月号には「鉄道」の特集がいろいろ。とはいえ、マニアでなくても十分に楽しめるラインナップです。たとえば「撮ってよし、乗ってよし、食べてよしの鉄道旅」。『マツコの知らない世界』(TBS系)でもおなじみの写真家・櫻井寛さんが、ビギナーでも楽しめる鉄道旅のプランと絶景写真のポイントをご紹介します。また、『中井精也のてつたび!』(NHK)でも知られる中井精也さんは「『ゆる鉄』撮影の極意」と題して、車両にとらわれない、旅情感あふれる写真の撮り方を指南。「撮り鉄」女子でもあるタレントの村井美樹さんも、小湊鐵道の撮影に参戦!このほか、トワイライトエクスプレス「瑞風」や「四季島」など、めったに見られない豪華列車のグラビアや、マニア垂涎の新幹線や鉄橋、ローカル線の撮影ノウハウなど、盛りだくさんの内容となっています。

 また「目の仕組みとカメラの密接な関係」と題して、写真と「目」の関係にせまる特集記事も。カメラもレンズも揃えたし、撮り方も悪くない。なのに、写真が全然うまくならない……そんなお悩みを抱えている人も多いと思います。そこでしっかりチェックしたいのが「目」の問題。今回アサヒカメラでは眼科医の協力のもと、目の仕組みとさまざまな症状、メンテナンス・改善方法について徹底解説しています。近視、遠視、乱視、老眼、白内障のいずれかに該当する方、メガネやコンタクトレンズを付けている方にはぜひ読んでほしい特集です。「レタッチいらずのプリント術」「東京カメラ部10選2017」と合わせて読めば、みなさんの写真力がグッと向上すること間違いなし!? アサヒカメラ2018年2月号は、900円(税込)で2018年1月20日発売です。

(咲村珠樹)