「うちの本棚」、今回は棚の隅からロボットアニメのコミカライズ作品を掘り出してみました。まず最初は池原しげとの『超人戦隊バラタック』。作者はアニメ版でも原作とキャラクター原案を担当していたので、コミカライズというより原作コミックといった方がいいかもしれません。

本作は『鋼鉄ジーグ』『マグホロボ ガ・キーン』に続く磁力による変形合体ロボットシリーズの3作目である。


また本書はそのアニメ作品のコミカライズではあるが、原作とキャラクター原案に関わった作者によるものでもあり、原作コミックといってもいいかもしれない。

超能力を持った5人の少年少女によって操縦される(というと語弊があるので説明すると、メインパイロットであるひとりが5人の精神エネルギーを集めてバラタックを操縦する)ロボットは戦闘スタイルや状況に応じてパーツ交換、変形合体する。この5人の超能力者のうち4人は、リーダーのマックを中心に地球の平和のために集まっていたが、マックの予知能力でゴルテウスという異星人の攻撃を知り、その最初のターゲットとなる加藤博士とその家族の保護に向かうのだが、妻と長男を拉致されてしまう。保護した加藤博士は「タイムリンクル」という超長距離宇宙航行を可能にするシステムを開発中であり、その完成に向け研究を進めてもらうことに。また次男であるユージにも超能力があることがわかり、5人目のバラタック隊員として地球防衛の任にあたってもらうことになる。

バラタック隊のリーダーはマックであり、基本的にロボットの操縦もマックが中心となって行うという点でかなり異色な作品という評価が下されているようだが、コミック版ではユージがしっかりと主人公として活躍しておりロボットの操縦シーンもある。

アニメの制作は東映動画(現・東映アニメーション)だったが、そういえば池原しげとは同じ東映作品の『魔女っ子メグちゃん』のコミカライズも担当していた。

基本的に手塚調の絵柄で読みやすく、アニメ版のキャラクター原案を担当していたこともあってイメージのギャップも少ない。またアニメ作品よりもシリアスな内容になっていたようでストーリー的なまとまりも感じられる。強いて言えばせっかく超能力者の集団なのだからもう少し超能力の描写があってもよかったかと思うのだが、それをやってしまうとロボットの出番がなくなってしまうかもしれない。

書 名/超人戦隊バラタック
著者名/池原しげと
収録作品/第1話・ユージ◆バラタック隊入隊、第2話・ハチュウロボ作戦、第3話・タイムリンクル完成阻止、第4話・ゴルテウス◆最後の攻撃
発行所/1979年3月5日(3刷/初版発行日の記載なし)
初版発行日/オハヨー出版
シリーズ名/エース・ファイブ・コミックスS


【文:猫目ユウ】
フリーライター。ライターズ集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。