SlackやTeams、Discordといったチャットツールは、今やコミュニケーションの必需品。プライベートはもちろん、ビジネスシーンにおいても有効的に活用している方は多いと思いますが、どうやら利用時の「あるマナー」が問題になっている模様。

 それは「メンションを用いた際、”さん”を付けるか、否か」というもの。この問題、あなたはどう考えますか?

 そもそもメンションとは、チャットグループ内において「自分のメッセージを読んでほしい相手を指定する機能」のこと。言うなれば、直接肩を叩いて話しかける行動といったところでしょうか。これにより関係のない方が反応する必要がなく、スムーズにやり取りを行うことが出来ます。

 また、こうしたチャットツールを使う場合、ユーザー名は本名やニックネームを用いるパターンも多いため、メンションを付けた場合、一見すると呼び捨てのように感じられるのも”さん”付けを迷うひとつの要因かもしれません。やり取りをしている相手はもちろん人間ですし、発言を多くの方が見ているわけですから、”さん”をつけたくなる気持ちも分かります。

■ 筆者個人としては”さん”付け不要派

 しかしながら、筆者個人としては「”さん”はつけなくても良いのでは?」と考えている派。メンションは単なる制御記号であって、利便性のために名前のような文字列を設定しているだけであり、決して名前ではないからです。本来のメンションの目的・用途から考えれば”さん”は不必要のはず。

「さん」がないパターン

 ひとつだけ、意図的に使うことがあるとするならば、文中に名前のような呼び方で使うときでしょうか。これ以外の場合は、メンションはメッセージを送る宛先のようなものだと思っているので、わざわざ”さん”を付けることはしません。

■ ”さん”付けしない派が多数 謎マナーとして定着は避けるべき

 ネットの声を拾ってみると、やはり基本的には「付けない」派が多数である模様。一方で、「付けなくていいとは思うけど、まわりが付けているので自分も」「部内では付けないけど部外では付ける」といった声も。時と場合によって使い分けているといった方も多いようです。

 一度文化として定着してしまうと、”さん”を付けないのは失礼かもしれないという空気が醸成され、常に付けなければならないという気持ちになってしまいます。こういったマナーのようなものは伝染力が高く、あっという間に定着してしまうため、生産性を下げる原因にもなりかねません。

 「メールの宛先は偉い人順」「はんこ少し傾けて押す」に代表される謎マナーとして、ビジネスシーンで定着しないことを切に願うばかりです。

(山口弘剛)