筆者は先日、膝の怪我の手術・リハビリのために3週間入院しました。入院準備にあたって「怪我 入院 必要なもの」などと検索したのですが、意外と怪我の入院に特化した情報がない……!

 ということで、筆者の体験談も交えつつ、怪我の入院における持ち物について必需品・便利アイテム・不要だったもの・あれば良かったものなどを、どこよりも詳しく解説します。

 特に下肢の怪我で手術・入院の予定がある人にはかなり参考になるはずです。ぜひ入院準備に役立ててください。

※病院のルールや体調・怪我の状況によっては、本稿で紹介する持ち物が適さない場合もあります。病院のルール、自身の状況に応じて準備してください。

■ 筆者及び入院生活の基本情報

 持ち物の解説をする前に、前提条件として筆者や入院生活の基本情報をお伝えします。

【基本情報】
・性別:女性
・年代:20代後半
・怪我の部位:左膝(左膝外側円板状半月板断裂)
・そのほかの身体状況:病気なし・左膝以外に怪我なし
・入院期間:3週間
・入院時期:9月中旬~10月上旬
・入院部屋:大部屋
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 今回の入院で私は、手術前日に入院し、翌日朝に手術を受けました。入院中は常に両松葉杖で過ごしており、手術後~2週間までは完全に左足を浮かせた状態、3週目~退院までは左足に体重の1/3をかけてOKという状態でした。

 松葉杖生活で一番大変だったことは、なんと言っても「移動時に両手が使えないこと」です。移動時は両手がふさがってしまうことを考慮したうえで、入院中の持ち物について解説していきます。

■ 怪我での入院における持ち物

 3週間の入院生活を通じて「持って行って良かった」と感じたものもあれば、「これは要らなかったな……」と感じたものもあります。ひとつひとつ解説していきます。

▼必需品

・保険証、書類など
 保険証や書類(看護承諾書、入院誓約書など)は病院から指定されたとおり準備すればOKです。

 筆者は、今回「限度額認定証」の適用があったため、入院前に役所に行き、限度額認定証の申請を行いました。入院すると身動きが取れなくなるため、不明点は必ず入院前に解消しておきましょう。

・服用中の薬
 服用中の薬がある人は、薬とお薬手帳を持って行きましょう。

・印鑑、筆記用具
 入院中、新たな書類に署名・押印をする可能性があるため、印鑑と筆記用具は持っておくと安心です。

・財布、小銭入れ
 筆者が入院した病院には売店がなく、自動販売機しかなかったため、小銭入れが活躍しました。短パンのポケットに入る小さめのものや、首からかけられる財布・小銭入れがおすすめです。

 なお、売店があっても現金しか使えない可能性があるため、入院前には現金(特に小銭と1000円札)を多めに用意しておきましょう。

▼洋服類

・ボトムス
 ボトムスは、ポケット付きが断然便利です。(筆者は膝の怪我だったため、処置がしやすいように膝丈の短パンを病院から指定されていました)松葉杖で両手がふさがっていても、スマホや小銭入れなどを持ち運べます。

・トレーナー、下着、靴下
 トレーナーや下着、靴下は特に指定がありませんでしたが、できるかぎり締め付けがなくゆったりしたものを選ぶと快適に過ごせておすすめです。

 なお、手術の際は、金具のついた下着は着用できない可能性があります。病院の指示に従いましょう。

▼洗面用具

 松葉杖は移動が大変なため、洗面用具もなるべく軽量化・一本化するのが便利です。

・歯ブラシ
 コップと歯ブラシ・歯磨き粉の収納ケースが一体化したものが便利です。食後の歯磨きのときは、歯ブラシケースを短パンのポケットに入れて持ち運びました。

コップと歯ブラシ

・スキンケア用品
 オールインワンタイプのジェルが便利です。夜は、少しだけスキンケアに時間をかけて、オールインワンタイプのシートパックを使用していました。

・洗顔フォーム
 泡で出てくるポンプ式の洗顔フォームをおすすめします。買ったときに付いているストッパーを持って行くと、持ち運びの際に安心です。

洗顔フォーム

▼髪、お風呂関係のアイテム

・ヘアバンド、ヘアゴム、ヘアクリップ、ヘアブラシ 
 ヘアバンドなどは、普段使用しているものを持って行けばOKです。ヘアゴムは切れる可能性があるため、2本持って行きましょう。

・ドライシャンプー
 筆者は、手術から3日間は、麻酔の関係でお風呂に入ることができませんでした。そんなときに大活躍したのが、ドライシャンプーです。頭皮にスプレーするだけで、嫌なベタベタ感がなくなり、気分爽快になりました。入院中、お風呂に入れない期間がある人にはぜひ持って行ってほしいアイテムです。

ドライシャンプー

・シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ
 お風呂に入れるようになってからは、持参したシャンプーなどを使っていましたが、病院のお風呂に備え付けのシャンプー類があったことや、お風呂の行き帰りの荷物を減らしたい気持ちから、途中で持って行くのをやめました。とはいえ、病院にシャンプー類があるか分からない場合は自分で用意しておくのが無難です。

・汗拭きシート
 病院が体を拭くシートを用意してくれたので結局使いませんでしたが、お風呂に入れない期間のために汗拭きシートを持って行きました。人によってはお気に入りの汗拭きシートもあるかと思います。念のために最低1パックは持って行くと安心でしょう。

・ボディーを洗う用のボディータオル
 普段から使用しているボディーを洗う用のネット(ボール状のもの)は、使用後に乾きにくい・お風呂場から自室に持って帰るのが大変という理由で持って行っても使わなくなりました。仕方なく、手で体全体を洗っていましたが、持って行くなら、乾きやすいボディータオルがおすすめです。

・ボディークリーム
 包帯を巻いていると、皮膚がかなり乾燥します。筆者は、手術後しばらく放置していたら、スネは粉を吹き、かかとはひび割れ……自分史上最悪のカサカサ肌になってしまいました。ボディークリームを塗って問題なければ、傷口以外をしっかり保湿してあげましょう。

・タオル
 入浴後に使うタオルは、フェイスタオルをおすすめします。バスタオルだと乾かすのに場所を取ってしまうからです。

▼身だしなみアイテム

・鏡、メイク用品、ヘアアイロン
 筆者は、入院生活に慣れた頃、スッピンで髪がボサボサの自分を見るのがだんだん嫌になりました……。色つきの下地、色つきリップ、ビューラー、薄付きのチークなど、まるで学生の「スクールメイク」のような薄さでしたが、少しメイクをしたり、髪を整えたりするだけで気分がかなり変わります。

・電動フェイスシェーバー、爪切り
 入院期間が2週間を超えると、ムダ毛や眉のボサボサ感が気になります。電動フェイスシェーバーがあれば、サッと処理できるのでおすすめです。

 爪切りも10日以上の入院の場合は持って行くと良いでしょう。

▼メガネ、コンタクトレンズ、ケア用品

 普段コンタクトを使っている人も、手術後しばらくはメガネを使うことをおすすめします。松葉杖生活に慣れてきてから、コンタクトレンズに移行しましょう。

▼ティッシュペーパー、ウェットティッシュ

 ティッシュペーパーは箱が絶対におすすめです。筆者は3週間の入院で3箱使いました。

 ウェットティッシュも、手を拭いたり、机を拭いたりと何かと使うので用意しておくほうがいいでしょう。

▼リハビリ用の運動靴・スリッパ

 運動靴やスリッパは病院から指定されたものを持って行きましょう。特に指定がなければ、スリッパはかかとがないタイプがおすすめです。

▼トートバッグ・袋

・トートバッグ
 トートバッグは、松葉杖生活で欠かせません。お風呂や洗面所に行くときなど、細々したものを持ち運ぶのに便利です。中にポケットが付いているトートバッグは、細かいものが整理しやすく特におすすめです。

トートバッグ

・ビニール袋
 洗濯物を入れたり、濡れたタオルを持ち運んだりする際に使用します。3~4枚持って行きましょう。

▼デジタル機器

・ノートパソコン
 悲しいかな……フリーランスである筆者は、入院中も仕事をしなければ「収入ゼロ」になってしまうため、ノートパソコンを持って行きました……涙。

 場所を取るため、仕事など事情がない限り、ノートパソコンは必要ないと思います。スマホで十分です。なお、病院にはWi-Fiがなかったため、スマホのテザリング機能を使いました。

・充電器
 スマホ、ノートパソコンの充電器を持って行きました。筆者が入院した病院は一人あたりコンセントが2口ありましたが、病院によっては1口のこともあります。電源タップを持って行くと安心です。

・イヤホン
 大部屋ではテレビ視聴時はイヤホンをつけなければいけませんでした。寝た状態でもテレビが見られるよう、2~3mの長さがあるイヤホンがおすすめです。

▼飲食物、コップ

・お菓子、ガム
 制限がなければ、好きなお菓子を持って行きましょう。怪我の痛みが強く、毎食後の歯磨き(の移動)が辛いときは、ミント系のガムを噛むとスッキリします。

・水
 好きなタイミングで水分補給ができるよう、ペットボトルの水(2リットル)を持って行きました。病院によってはウォーターサーバーがあることもありますが、松葉杖の場合、ウォーターサーバーで水を注いでも自室に持って帰ることができません。

・蓋付きのコップ
 コップは蓋付きが便利です。蓋付きであれば、しばらく置いていてもホコリが入る心配がありません。起き上がれないほど怪我の痛みが強い場合は、ストロー付きのコップが役立ちます。

蓋付きのコップ

▼そのほか便利だったもの

・テニスボール
 入院生活は同じ姿勢をキープしていることが多いため、首や肩、背中が凝ります。テニスボールがあれば、凝っているところをほぐせて便利です。(くれぐれも傷口に触らないようにしましょう)

テニスボール

・お菓子の箱
 持ち物とは少し違うのですが、お見舞いでいただいたお菓子の空き箱が、机の上を整理するのに非常に役立ちました。

 毎食後服用する薬や体温計、リップクリーム、目薬、ヘアクリップなど、よく使うものをひとまとめに入れて使用しました。退院時に捨てられる点も良かったです。

お菓子の箱

・アイマスク
 「寝るときは真っ暗派」の方は、アイマスクがあると便利です。筆者の隣の人、消灯後もテレビを見ていたので、アイマスク大活躍でした……!(小声)

▼持って行けば良かったと思ったもの

・ハンガー
 濡れたタオルを干すのにハンガーがあれば、便利だと感じました。

・耳栓
 大部屋での入院は、どうしても物音が気になります。寝付きが悪い方は、アイマスク+耳栓のダブル防御がおすすめです。

■ 持ち物を一覧

 最後に、本稿で紹介した持ち物を一覧にしました。病院のルールやご自身の体調・怪我の状況を考慮したうえで、入院生活をできるだけ快適に過ごせるよう準備をしてみてくださいね。

▼持ち物一覧▼
・保険証、看護承諾書、入院誓約書などの書類
・服用中の薬、お薬手帳
・印鑑、筆記用具
・財布、小銭入れ
・洋服類(短パン、トレーナー、下着、靴下)
・洗面用具(歯ブラシ・スキンケア用品・洗顔フォーム)
・ヘアバンド、ヘアゴム、ヘアクリップ、ヘアブラシ
・ドライシャンプー
・シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ
・汗拭きシート
・ボディーを洗う用のボディタオル
・ボディークリーム
・タオル
・鏡、メイク用品、ヘアアイロン
・電動フェイスシェーバー、爪切り
・メガネ、コンタクトレンズ、ケア用品
・ティッシュペーパー、ウェットティッシュ
・リハビリ用の運動靴、スリッパ
・トートバッグ
・ビニール袋
・ノートパソコン
・充電器
・イヤホン
・お菓子、ガム
・水(2リットルのペットボトル)
・蓋付きのコップ
・テニスボール
・お菓子の箱
・アイマスク

▼持って行けば良かったもの▼
・ハンガー
・耳栓

(上村舞)