主に教科書や参考書などにおいて、後で見返したい重要なページの目印として使われる「付箋紙」。無地で細長いタイプのものが一般的ですが、一風変わったユニークなアイデア付箋紙が、ツイッターで大きな注目を集めています。

 その名も「貼れば貼るほど繁華街になる付箋」。

 付箋には「中華料理」や「漫画喫茶」「居酒屋」といった繁華街の看板を想起する内容が書かれており、色とりどりの看板がズラッと並んだ光景はなんとも華やか。見ているだけでも楽しい気持ちになります。

 この「繁華街になる付箋」はアイデアクリエイターとして活動する、いしかわかずやさん(@issikazu20)がCGで制作したもの。いしかわさんは普段から文具を中心に「ありそうでなかったアイデア」を考案し、SNSで発表。そのアイデアの数々は、企業主催のデザインコンペでもたくさんの賞を受賞しています。

 「普段から物事を良く観察し、似ている事象同士を組み合わせて、ありそうでなかったアイデアを考えている」と言ういしかわさん。今回のアイデアも繁華街の看板と、付箋が本から飛び出している様子が似ていると思ったことから発案したのだそう。

 また、「真面目な参考書が、不真面目な仕様になっていくさまが、面白い化学反応だな」と感じたことも制作のきっかけに。たしかに、勉強すればするほど付箋を貼ることになるため、どんどん看板が増え、繁華街感が強くなっていきます。一見矛盾のようにも感じる組み合わせが、面白さを感じる要素なのでしょう。

勉強すればするほど増える繫華街の看板

 いしかわさんが特にこだわったのは、ユーザーが貼りたいと思うためにも、実際にある看板のようなデザインにすること。たしかに、看板の文字の色使いやフォントからは、入る前からなんとなくお店の雰囲気がわかる「本物感」が漂っています。これは実際の繁華街の看板を調べつつ、イメージしやすいデザインを意識したとのことです。

 また、いしかわさんの構想では「看板の種類を地域や街によってバリエーションを増やす」「日本だけでなく、台湾や韓国などの繁華街をイメージした商品にするのも面白そう」とアイデアの派生案も、たくさん思い浮かんでいるそう。旅行先のお土産屋さんなどで売っていたらつい手が伸びてしまいそうですね。

 投稿には9万件もの「いいね」が付き、「めちゃくちゃ面白い」「天才ですか?」と、絶賛の声が多数寄せられた他、「販売していますか?」「売ってたら買います!」と商品化を望む声も。こうした反響に対し、いしかわさんは「基本的にアイデアまでなので、形にして商品化できる方がいましたらぜひ、協力していただきたいです」と呼び掛けています。

 特に付箋紙に関しては、「まだまだ工夫の余地があると思っている」「(現状の付箋紙を)完成形とするには早すぎる」と、いしかわさん。これからも見た人が楽しめて、なおかつ便利なアイデア作品を多数見せてくれることでしょう。

<記事化協力>
いしかわかずや@アイデアクリエイターさん(@issikazu20)

(山口弘剛)