「皆様おはようございます。何匹いるか数えてみよっと。本日も宜しくお願い致します」

 朝の挨拶ツイートとともに、1枚の写真を投稿したのは、愛知県豊川市にある「加藤畳店」公式Twitter。今年(2021年)で創業52年目を迎え、畳職人歴35年の2代目店主が「中の人」として投稿しています。

 プロフィールに「こだわりの国産畳や和紙畳の新畳製作・表替え」という記載がある通り、伝統的な畳に加え、「これが畳?」と思わせるような独創的な畳製品を紹介している加藤畳店公式Twitterですが、この日投稿したのは畳縁(たたみべり)。

加藤畳店店主がこの日投稿したのは、猫柄模様の「畳縁」。

 そこには、グレー・ピンク・パープル・グリーンというカラフルな配色が施され、いずれも猫の模様が散りばめられています。畳縁メーカーが運営する専門店「FLAT」(高田織物株式会社)さんから取り寄せた物だそうです。

 「へぇ、畳縁ってこういうやつもあるんだ」

 お恥ずかしながら筆者、「畳」といえば、実家の和室にあるものを連想し、「畳縁」に関しても、どちらかというと「暗めの配色のみで、模様は特になし」というイメージを持つ程度。しかしながら、畳縁といっても今は色んな種類があるとのこと。

 「そういった『畳を知らない・身近にない・畳自体に興味がない』方に向けて、少しでも認識してもらいたい、振り向いてもらいたいという思いがあり、色々と試行錯誤しながら、自分なりの表現方法でTwitterに投稿しているんです」

 そう語る店主。実際に建築業界では、和室の減少による「畳離れ」の現状があるそうです……。ちなみに今回投稿した猫柄の畳縁は、「色と柄が素敵で、コメントつきで投稿したんです」とのこと。

 実際の使用画像もみせていただきましたが、とても可愛く畳を飾っています。

今回投稿した畳縁はハンドメイド向け。実際にはめ込むと、まさに「ミニチュア和室」。

 また他にもミニ畳商品の画像もみせてもらいましたが、畳縁の柄は招き猫や、ダルマの模様が散りばめられたものなど、実に多種多様。

招き猫柄の畳縁。

ダルマ模様の畳縁。

 余談ですが、畳は日本固有の文化で、一説によると平安時代には今と似た形状にあったんだそうです。つまり1000年を超える歴史を持つ「文化遺産」ですが、どうやらまだまだ「発展」の余地はあるようですね。

 「畳って古臭い、汚そうってマイナスイメージを払拭したい気持ちがあるんです」

 最後に店主はそう語りながら、今回の投稿について振り返っていました。

<取材協力>
加藤畳店(HP:https://itp.ne.jp/info/231914146106961440//Twitter:@KatoTatamiten)

(向山純平)