フランス航空宇宙軍は2020年11月26日(現地時間)、シャルル・ド・ゴール空港にて、フランス政府塗装のA330-200初号機を受領しました。老朽化したA340とA310の後継として、3機の導入が決まっているA330-200は3/60輸送飛行隊「エストレル」で運用され、後日空中給油・輸送機仕様(MRTT)へと改修される予定です。

 フランス航空宇宙軍では、これまで空中給油機としてC-135FRとKC-135R、人員・貨物輸送機としてA340とA310を運用してきました。フランス政府は2019年~2025年の防衛力整備計画で、これらの機種を空中給油・輸送機兼用のA330 MRTT「フェニックス」に統一し、柔軟に運用できるよう改めることに。

 合計で15機の調達が決定したA330 MRTTフェニックス。まずはKC-135の後継として、グレーのフランス航空宇宙軍塗装で2018年から導入が始まりました。

 その後2020年8月に、人員や貨物の輸送を担当する3/60輸送飛行隊「エストレル」が運用しているA340とA310の後継となる、白いフランス政府塗装のA330-200が3機(中古機2機:新造機1機)発注されました。今回到着したA330-200は、A340の後継となる中古機2機のうち、最初のものです。

 フランス政府塗装のA340やA310は、海外からフランス国民を避難させたり、人道支援を行なったりする際に使用されてきました。2号機は12月中旬の引き渡しが予定されており、これをもってA340は2020年12月末で退役する見込みです。



 A310の後継となる新造機は、現在フランスのトゥールーズで組み立て中で、2021年半ば頃に引き渡し予定。フランス空軍では受領後、空中給油装置を取り付けMRTT(Multi Role Tanker Transport)仕様に改修し、すでに導入済みのA330 MRTTとともに、柔軟に運用できるような体制にするとしています。

<出典・引用>
フランス航空宇宙軍 ニュースリリース
Image:フランス航空宇宙軍

(咲村珠樹)