ドイツ空軍は初期型のユーロファイターを置き換えるため、最新型のユーロファイター「トランシェ4」を総額約55億ユーロ(約6830億円)で38機調達することを決定。11月5日の議会承認に基づき、11月11日(現地時間)に調達契約を締結しました。

 ユーロファイターは、生産時期により「トランシェ(フランス語で「切り分けたもの」の意)」という名称で区分されます。現在ドイツ空軍では初期生産型のトランシェ1から、トランシェ3までのユーロファイターが運用中。

 このうち初期型のトランシェ1に関しては、一部の部品で製造が終了しており、修理する際に新品の部品が供給されません。このままでは稼働機が減ってしまう恐れがあるため、ドイツは初期型ユーロファイターを新たに生産する「トランシェ4」38機で置き換える「クアドリガ(Quadriga)」計画を策定しました。


 置き換え対象となるトランシェ1は、火器管制システムが地上攻撃機能を有していない、純粋な戦闘機(空対空戦闘)型。最新のレーダーおよび火器管制システムを持つトランシェ4導入、そして既存のトランシェ2~3にも同じレーダーと火器管制システムを導入することにより、ドイツ空軍のユーロファイターはすべて同じ能力を獲得することになり、より柔軟な運用が可能となります。

 調達する38機の内訳は、単座(1人乗り)が30機、複座(2人乗り)が8機。これには2019年に墜落事故で失われた2機の代替機も含まれ、うち3機~4機は、新たに発足する「国立ユーロファイター研究開発センター」用として、新しいレーダーシステムなどの開発試験に供される予定です。

 発注契約締結を受け、ユーロファイターのヘルマン・クレーセンCEOは「コラボレーションは私たちの活動における心臓部です。これまで1年にわたって行なわれたチームワークの成果が、今日具現化しました。今回締結したクアドリガの契約により、ユーロファイターは今後何十年にも及ぶ運用能力を拡張することになります」とのコメントを発表しています。

 調達は、NATOにおけるトーネードとユーロファイターの調達窓口として設立されたNETMA(NATOユーロファイター2000・トーネード管理局)を通じて行われます。引き渡しは2025年から始まり、2030年には調達完了となる予定で、ユーロファイターの運用寿命は2060年代まで延長される見込みです。

<出典・引用>
ドイツ国防省 ニュースリリース
ドイツ空軍 ニュースリリース
ユーロファイター ニュースリリース
エアバス ニュースリリース
Image:Airbus/Eurofighter Jagdflugzeug GmbH/USAF

(咲村珠樹)