皆さんマーケティングって言葉をご存知でしょうか?マーケティングとは簡単に言えば「売れる仕組みを作ること」で、それを仕事として従事している方を総じて「マーケッター」と呼びます。

 とはいえ、その内訳は実に様々。一例をあげると、商品やイベントを考える“企画”、ある物事を調べたりする“調査”ないし“分析”、TVCMなどを使って商品をPRする“宣伝”などなど、多種多様な仕事がマーケティングに分類されています。ちなみに、企業がSNSを通じて、直接情報発信することも広義のマーケティングだったりします。

 名前の響きはカッコいいけど中身は意外と知られていないマーケティングという存在。実際に従事している“マーケッター”たちも常々こんなことを思います。

 「マーケティングって何だろう?」

 実は筆者の私も少々マーケティングを齧った人間なのですが、正直申しますとはっきりとした定義がないと感じています。それでいてやる仕事が多く、内容も“体で覚える”ことがしばしば。

 なのでマーケッターとしては、「マーケティングは○○だ!」とはっきり言語化して、分かりやすく表現したいという思いがとても強かったりします。そんなことを立証するような出来事が先日Twitterでありました。

 「「マーケティングが勉強したいんですけど、何から勉強したらいいですか?」と聞かれたらなにを勧めますか?」

 自身のTwitterにて、こう投げかけたのはワタナベヨシヒコさん(以下ワタナベさん)。ワタナベさんもまたマーケッターの一人で、クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」を運営している株式会社カオナビにて、マーケティング部門のマネジメントを担っています。

 ワタナベさんは仕事柄、定期的にTwitterを開いては情報収集をするとのことですが、そんな中で「マーケティングを学びたい」というツイートをふと目にする機会があったそう。ただワタナベさん自身も、実はマーケティングというものを体系的に学んだことはなく、他の方がどうだったのか以前から気になっていたそうです。

 このワタナベさんの“問いかけ”には、同業者のマーケッターを中心に多くの方が反応。ただやはりというべきか、回答も実に多種多様でした。今回編集部ではワタナベさんご協力の元、内容をいくつかのカテゴリーにまとめてみました。

1)顧客と直接関わってみる
まずは王道ともいえるこちら。やはり実際に買ってみる人間の立場にたって考えるのは究極の勉強方法。“肌感”という言葉もある通り、お客様と直接触れ合うことは定期的に行う必要がありますね。

2)本を読む
こちらももうひとつの王道。顧客と関わることがアウトプットなら本を読むことはインプットの代表格。ただし、こちらの難点はいわゆる“おススメ本”というのが点在している&マーケティングのトレンドはすぐに変わるので、書かれる内容もすぐに古くなりがち、ということ。無論、気になったものは全て読むというのもひとつの解決方法ですが、まずは自分の課題や興味と向き合ってから、読む本を選んでもいいかもしれません。

3)分析をする
1や2と同じくらいの回答があったのはこちら。“分析”というとちょっと難解なイメージを持たれるかもしれませんが、要は何か気になったら調べてみるということ。調べる対象が自分自身だったり、他の人だったり、目の前にあったものだったり……と分けてみると、マーケティングに関係ないお仕事に就いている方も経験があるのではないでしょうか?それに顧客や本に関しても、その前後で何らかの“分析”はします。

4)SNSやWebサイトを運用してみる
今回発信したのがTwitterということもあってか、こちらの回答も多く寄せられました。実際の当事者でもある弊社の視点になってしまいますが、これは意外とそうだったりします。とりわけ数字を見るということに関しては、かなりのジャンルの数値に直接触れることが可能ですので、マーケティングに興味がある方はやっていて損ではないかなと感じます。

5)その他
いつも面白おかしなことを考えているマーケッターの皆さんがお答えになったからか、他にも様々な意見が寄せられたのも今回印象的だった点。その中でもとりわけ印象的だったのは、「恋愛をしてみよう」という意見。少々体験談になってしまいますが、恋愛というのはある意味「究極の顧客満足の追求」ですので、これはマーケティング視点でも本当に参考になるとつくづく実感いたします。

と、勉強方法ひとつでも様々な意見が得られた今回のツイートでしたが、この結果をうけてワタナベさんも色々な発見があったそうです。

 中でも特に感じたのが、Twitterを継続されるようなマーケッターは、何らかの形で物事を発信していく“アウトプット型”の方が多いのではないかということ。なので、今回のような問いかけにもすぐに回答することができるんだと感じたと語られました。

 ワタナベさんへの回答をまとめた私としては、ワタナベさんのツイートに反応された方の内容にはそれぞれ何らかの共通点があり、それをまとめあげることで、今回“マーケティング”というものの定義を、言葉として表現できたひとつのケースではないかと実感しました。その上で、これは我々編集部が意識していることでもありますが、常に読者の皆様が読みやすくイメージしやすい言葉や表現を用いることで、一見敷居が高そうなジャンルにも興味を持っていただけるのではないでしょうか。

<記事化協力>
ワタナベヨシヒコさん(@yoshihikowtnb)

(向山純平)