日本で初めて開催されるラグビーのワールドカップに向け、各代表チームが調整を行っています。前回2015年大会で日本代表ヘッドコーチを務めたエディー・ジョーンズ氏率いるイングランド代表は、7月に入ってイギリス空軍で特訓を行いました。

 エディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチを務めるイングランド代表が訪れたのは、コーンウォール地方にあるセント・モーガン空軍基地。ここは空軍兵のサバイバル訓練などを行う施設で、毎年5000名ほどが訓練を実施しています。

 なぜラグビーの代表チームがこんなところへやってきたかというと、チームとしての一体感を養い、選手同士の信頼をより高めるため。サバイバル訓練という極限状態で、試合中に劣勢になっても耐えられるよう、精神を鍛える側面もあるのです。

 31名の選手たちは、空軍の訓練教官の指導のもと、様々な訓練メニューをこなします。ロープを使って移動したり、高い場所へ登ったり。普段ピッチの上でボールを使ったり、走ったり、タックルやスクラムをするのとは全く違う動きに、選手たちは悪戦苦闘。


 その様子を、ヘッドコーチのエディー・ジョーンス氏をはじめとしたチームスタッフは、注意深く見守ります。思わぬ事故で怪我をしてしまっては、本末転倒です。

 日が暮れると、今度は自分たちで火をおこし、焚き火をしながら夜間のサバイバル。とはいえ、サバイバルにおいて夜は体を休めることが重要なので、選手たちは火を囲みながら話をしたり、リラックスした雰囲気です。


 イングランド代表をこの「特訓」に招待したニッキー・ロフトハウス中佐(ブライズノートン空軍基地)は「ラグビーのイングランド代表に訓練施設を使ってもらい、リーダーシップや互いに助け合う気持ちを養ってもらえたというのは非常に光栄なことです。私たち空軍はこの訓練施設で、世界レベルの訓練を行っています。イングランドのラグビー協会とのパートナーシップのもと、代表選手たちは素晴らしい経験をできたのではないかと思います」と語っています。

 特訓に参加したイングランド代表のジョージ・フォード選手(FH)は「この施設を使って練習させてもらい、軍の皆さんには大変感謝しています。特に夜は非常にチャレンジングなものでした。でもこの経験はこれから先の戦いを考えると、大きな自信となると思います」という感想を口にしています。

 サバイバル訓練で一体感を養い、精神的にもタフになったイングランド代表。日本で開催されるワールドカップでは、もちろん優勝を狙っています。

<出典・引用>
イギリス空軍 プレスリリース
Image:RAF Crown Copyright 2019

(咲村珠樹)