「森の住人」という意味を持つオランウータン。その気質は大人しく争いごとをあまり好まないとされています。

 そんなオランウータンの威嚇行動が、突如Twitterで7万リツイートを集め注目されていました。投稿したのは、Twitterユーザーのドスを振り回すコメオさん(以下、コメオさん)。その日コメオさんの職場では美人の新人がクレームを受けるという出来事があったそうです。

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“職場の新人で元ミスの可愛い子がいるんだけど、その子がクレーマーの件を上に報告したら「ストーカーになるかもしれないから警察に相談しよう!」とか上司が言い出して、今まで散々クレーマー報告してたのに無視されていた私たちオランウータンは木の枝を揺らすなど激しい威嚇行動をとった”

 また、この投稿には「他の森のオランウータンですが参戦します」といった声もいくつか寄せられ、他森からの支援も表明されています。さらには、その怒りをユーモア交え表現できるコメオさんの文才にも賞賛の声が集まっていました。

■ユーモア交えた例えだと分かっているけども…大まじめに調べようとしてみた

 あくまでユーモア交えて例えの上でのオランウータンだとは分かっていますが……実際のオランウータンならばその心理状況はどうだったのか?どんな対応をするのか? ふと疑問がわいたので、オランウータンについて詳しい方に大まじめに話しを聞いてみようと思ったのですが、当たり前にあちこちで断られてしまいました。

 そうですよね……当然です。お仕事の邪魔をし申し訳ありませんでしたと謝罪しつつ、自力で調べて見たところ、本物のオランウータンも威嚇の際、木の枝を揺らす、折る、などの行為をすることが分かりました。

 心理状況については詳しいことはわかりませんでしたが、筆者を哀れみ「ハッハッハー 私で分かる範囲なら」と仰ってくださった、オランウータンの専門家ではありませんが、犬を中心とした動物問題の専門家である永塚裕大さん(ぶんたの家代表)の話によると、「身近な犬猫でさえ差別に対しては不満ととれる行為を示すことがあるので、高度な思考回路を持つオランウータンやチンパンジーなら同じようなことが起こることは容易に推察できます」との見解でした。また、オランウータンの現状は「人間のおかげで住処を追われ絶滅危惧種」となり、かなり厳しい状況に置かれているそうです。世界自然保護基金のサイトでも個体数は「過去100年の間に、およそ80%減少した」と伝えられてます。

wwf公式サイトより。

wwf公式サイトより。

 今回はジョークとしてオランウータンに例えた話が話題となりましたが、人間であれオランウータンであれ、環境がよくなければ徐々にその場から消えてゆき、人間の場合でも最終的に”優秀社員の絶滅危惧”になることがありえそう。場合によっては思わぬ反撃にあうことも? 何にせよ、誰にとっても公平な職場環境であって欲しいものですね。

・出典:ドスを振り回すコメオさん(@dosu_kome)
・参考:WWF公式サイト「オランウータン」について

(宮崎美和子)