固定電話を狙って掛けてくる「オレオレ詐欺」を筆頭にした特殊詐欺の電話。個人情報を手にした犯罪グループが高齢者を狙って詐欺の電話を掛けて来たり、ネットの有料情報の使用料を騙って高額な詐欺を働いてきますが、ついに携帯電話にも特殊詐欺の電話がかかってくる事案が発生。話題になっています。

 この電話を受けたのはツイッターユーザーの織(おり)さん。「特殊詐欺グループから携帯に電話がありました。 前にTwitterで見た情報ですぐ疑えたので、私も書いとこうと思います。 警察には相談済みです。」というツイートと共に、以下の内容の文章を画像で投稿しています。

 「警視庁の者です。織さん(本名フルネー ム)の携帯電話で間違いないですか?」から始まって「詐欺グループに貴方の口座が使われています」って内容でした。

 その後も小難しい単語並べてきたので『近所の交番に相談してから折り返しお電話します。』と言って何事もなく電話を切れました。調べたら050から始まるIP電話からの着信だったので最寄りの警察署に届けてきました。 警察の方に聞いたら
 ・IP電話では電話しない。電話するにしても、最後の3桁が110番になってるはず。
 ・電話しても、最初は折り返し電話して貰うようにしてる。
との事です。 不振な電話とっちゃったら1度切って警察に相談が無難です

 このツイートが2万6千回以上リツイートされ拡散しており、「似た様な事があった」「偽弁護士や偽警察を騙る詐欺もある」などの反応が出ています。

 警察はIP電話からは電話しない、警察署の下3桁は110である、と織さんが対応した警察官は返答していますが、警察関係者にこの件について聞いてみたところ

 「IP電話は警察での導入実績が報告されていないが、必ずしも導入実績が報告されていないからと言っても実際に使っている警察がないとは限らない。また、警察署の電話番号は例えば警視庁の三宅島警察署は末尾が0511であったり、自治体によって警察署の電話番号の下4桁は必ずしも0110で統一されていない所もある。本当に警察からの電話であるか(相手が名乗った部署などを調べて)折り返すというのは警察では必ず案内している訳ではないが、有効な手段」

 との事。家庭用の固定電話に対特殊詐欺用の機能が付加された電話機が普及してきているので、固定電話への詐欺が減っていく代わりに、個人が特定しやすい携帯番号への直接的なアタックを仕掛ける例は今後も増える事が予想されます。個人情報の名簿を手にした犯罪グループは無差別に固定電話にアタックをしてきた時よりも手にした個人情報の年代から詐欺の手口を変えてきます。

 心当たりのない番号から突然フルネームで呼ばれ、警察の名前を出されるとパニックになって相手の誘導のままに個人情報や口座番号を聞き出される恐れがあります。また、そのままネットバンキングやATMへの振り込みを誘導してくる恐れもあります。今回の織さんの場合は詐欺と見破って警戒したためこれ以上の被害等は出てないという事です。

 心当たりのない金銭を要求する様な内容の電話は、まず一旦切ってから最寄りの警察に相談をしましょう。そして警察を名乗る相手の場合は警察署名、所属と階級も必ず聞いておき、該当する警察署の代表番号や、相談窓口用番号「#9110」へ電話を。地域を管轄する各都道府県の警察総合相談室などの相談窓口に直接つながる全国共通の電話番号なので緊急を要する110番を掛けるまでもないけど相談しておきたい場合は#9110が有効です(平日 午前8:30~午後5:15・各都道府県警察本部で異なる)。

<記事化協力>
織(おり)さん(@m03t09)

<参考>
政府広報オンライン「生活の安全に関する不安や悩みは 警察相談専用電話 #9110へご相談ください」

(梓川みいな)