アートには疎いという人でもこれは無視できない!? 頭から木や花を生やし、人間の形をしたオブジェ「盆栽の人」がネット上を度々ざわつかせています。

 作者は大阪芸術大学を卒業後、地元の香川県でアーティスト活動をしている千葉尚実さん。「盆栽の人」は、2010年に香川県高松市の丸亀町商店街で開催されたアートイベントのために制作した作品とか。その時のテーマが「ストリート的!?展 変身アートメタモルフォーゼ!!!!!」というものだったので、盆栽から葉っぱが出たり、花が咲いたり変化していく事を考えて作ったそうです。

 アートイベントの展示期間中には、商店街のいたるところに「盆栽の人」が置いてあったようですが、今では高松市に一体だけしか残っていないとか。まるで、たそがれているかようにじっと一点をみつめる黒い瞳。所在ない感じで建物の端にちょこんと座っている姿も哀愁を感じます。真夜中に出くわしたら、一瞬ギョッとしてしまうかもしれませんが……。そんなシュールで、どこか可愛らしい「盆栽の人」を制作された千葉尚実さんに詳しくお話を伺ってきました。

―シュールな顔つきと、建物の端でちょこんと体育座りをしている姿が、なんとも可愛らしいのですが、制作するにあたって、何かストーリーはあったのでしょうか?

最初は立った状態で考えていましたが、素材の都合で安定感のある体育座りの形になりました。私自身、自虐的なところがあるので、今はこの形の方が私らしくて良かったなと思っています

―盆栽の人は、現在販売されているのですか? ちなみに盆栽の人のシリーズ展開はありますか?

販売の問い合わせはあるのですが、今売れるものは頭部のみのものが数個残っています。売る用に正座バージョンの小さいサイズがありましたが、無くなってしまいました。その他でこの作品に関しては、シリーズ展開はしていないですね。

―千葉さんがこれから挑戦してみたいと思っているアート作品や、現在のアーティスト活動を教えてください。

私自身、いろいろなジャンルの作品を作っています。平面、立体、インスタレーション、映像、言葉を使ったものなどですが、大きいサイズの絵画を描いてみようかと思っています。夏に美術館でのグループ展を予定しています。

―千葉さんの身近な方たちには、盆栽の人を見てどのような反応を示される方が多かったですか?

一体、高松の商店街に置かれているものは苔むしてお地蔵さんと呼ばれています。梅雨になると全身緑になるので、その緑具合を写真で送ってくれたりします。最近では、盆栽の人に誰かがハロウィンやクリスマスなど季節ごとにコスプレをさせています。

 Twitterでは「何とか手に入らないかな~と思っているモノのひとつ」や「あの何か考え事をしているような雰囲気がなんとも言えない」という声も! 置く場所によって、寂しそうに見えたり、微笑んで見えたり、何か企んでいるように見えたりと同じ顔のはずなのに、表情が違ってみえることに驚きました。高松市に訪れた際には、盆栽の人を探してみるのもいいかもしれませんね。

<取材協力・画像提供>
千葉尚実さん

(黒田芽以)