<コラム>

 いつの頃からかネットを中心に使われるようになった「神対応」という言葉。お店の店員が素晴らしい接客をしてくれた時や、誰かが優しい対応をしてくれた時などにその行為を褒めたたえる言葉として使用されています。逆には「塩対応」という言葉もあります。こちらは「しょっぱい対応」という意味から来ているそうです。

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 2016年の流行語大賞には似た言葉として「神ってる」が選ばれています。とにかく現代において「神」という言葉は、最大に誰かを褒める言葉として気軽に使われています。

 また「神」のつく言葉は、一般の人が使用するだけでなく、ニュース記事を飾ることもしばしば。

・○○店が神対応!
・タレント○○さんの神対応に賞賛の声
・今年の○○は神ってる!?

 こうした「神」の多用を受けてか、ネットでこの手の記事を見かける度にコメント欄に「神対応ってよく聞くけど神様乱用されすぎじゃない」「神様が大安売りされてるみたい」「気軽に使われすぎ」「使われすぎて最近イラッとする」「聞き飽きた」という言葉の使用に対する批判的意見が投稿されるようになっています。

 筆者は使う機会がない(正:若い言葉についていけない)ので使うことはありませんが、確かに言われてみれば……「神対応」という言葉はいつ頃からか記事タイトルやテレビなどあちこちのメディアで使われるようになっています。

 タイトルや映像で採用する側にとっては、内容に出てくるコメントで出た意見をそのまま使用しているだけかと思われますが、配信する側は1のつもりでも実は、ネットニュース、テレビ、ラジオと同じ話題を多数取り扱っていることもあるため、読み手・視聴者側にとっては「うざい」という印象を感じているようです。 そう考えると確かに似た経験があります。筆者の場合だと「ゲス~」に感じています。

 流行語の使用は、読者や視聴者との距離を詰めるのに有効とされていますが、使い過ぎると逆に不快感を与えてしまうようです。何事も”ほどほど”が大事ということなのでしょうね。

(宮崎美和子)