毎度細かいお話をお届けしております「無所可用、安所困苦哉」でございます。今年もよろしくお願いいたします。
今回はカエルのお話。我が家にいるカエルを一通りご紹介しようかと思ったのですが、それはまた別の機会にしまして、とあるカエルに着目してご紹介。

カエルってすごいと思うのですよ。
脊索動物門-脊椎動物亜門-両生綱-カエル目という分類です。カエル目は無尾目とも言うことがありますが同じことです。カエル目に属するのはすべてカエルです。


サハラやルブアルハリなどの大砂漠と寒冷地以外のほぼ全土に分布しています。南極以外の全大陸に分布し、かなり乾燥した地域から淡水の水中にまでいます。海水にすむことはできませんが、汽水域に生息するカエルは知られています。
で、何がすごいかというと、日本のカエルもアジアのカエルも南米のカエルもマダガスカルのカエルもみなカエル。何カエルかはわからなくても、ああ、カエルだ、ということはわかります。魚だって「魚だ」とわかるじゃないか、という意見があると思いますが、魚は非常に多くの「目」レベルが存在します。しかしカエルはすべて「カエル目」です。空を飛べる鳥類や海水魚でなく、淡水で幼生期を過ごし陸地で生きる動物が、地球規模で同じような姿のまま進化しているのです。カエルは両生類という動物の最善の形であった、といえるのではないでしょうか。
三畳紀(約2億5100万年前~約1億9500万年前)の化石にトリアドバトラクスというカエルに近い動物があり、ここからカエルに進化し広まったと考えられています。三畳紀は陸地がパンゲアという超大陸が形成された時期です。カエルは、パンゲアの分裂前にほぼ全土に生息していたのでしょう。そうして世界中にいる両生類となったのではないでしょうか。

カエルの飼育は、「環境を飼う」と言われています。両生類は全般的に高温に弱いです。カエルの生息地の環境を再現して飼育するほうがいい、ということです。また大きく樹上性の種と地上性の種があり、樹上性を飼育するなら高さを確保して植物を入れ、地上性ならば湿ったところがいいのかやや乾いているほうがいいのか、といったところを合わせます。
というわけで、今回ご紹介するカエルのための「環境」は、コレ。

土です。半分が黒っぽいのは、湿らせてあるからです。湿った部分とやや乾いた部分を半々になるようにしています。
使っている土は、園芸用に売られている「黒土」で、肥料分の無いものです。真上から撮っているのでわかりにくいですが、10cmくらいの厚さになるように入れています。もっと深くてもいいのですが、これ以上入れると掘り返すのが大変です。

で、カエルはどこにいるのかというと、この「土の中」にいます。土中性というか地中性というか、もぐっているカエルなのです。半分を湿らせた厚めの土、これが彼らのための「環境」です。

そんな土の中にるカエルは「アメフクラガエル」。フクラガエルの仲間は他にもいますが、アメフクラガエルが一番メジャーではないかと思います。
掘り返して出て来ていただきました。

滅多なことでは地上に出てこないので、エサを与える際には掘り起こして与えます。
ふっくらと饅頭のようにふくらんだ体、短い手足で、カエルなのに泳ぐことは出来ません。しかしずっと土中にいるので、体表がさらさらしていて、触感はカエルとは思えません。アフリカの、雨季と乾季のある地域に生息しており、乾季の間は土中結構深くで乾燥に耐え、雨季になると地上に出てきてエサを取るらしいです。アフリカではハイギョも似たような行動を取りますね。
体は500円玉よりも大きいのですが、ゴマ粒くらいのコオロギを、舌を伸ばして吸い取るように食べます。しかしエラーすることも多いです。
霧吹きして、体についた土を落として、地肌の色を出してみました。

つつくと不機嫌そうな「何すんだよう!」という感じ顔をして、からだを膨らませます。なるほどフクラガエルです。そしてカエルにしては口がとても小さいです。

ケージに戻すと、後ろ足を動かして、おしりのほうから土にもぐってゆきます。1分もしないうちにもぐってしまいます。

このカエル、生息地でどうしているのか等、詳しいことはあまりわかりません。雨が降ると地上に出てきてエサを探す、数ヶ月間土の中で乾燥に耐える等の話を聞いたことがありますが、どれも「らしい」どまりです。最近、イギリスのテレビ番組でこのカエルが取り上げられたそうです。それによると産卵も地中の空間で行い、オタマジャクシは親カエルが出した泡状の粘液の中で育っていくところが紹介されたとか。でもそれ以前にどうやってオスとメスが出会うのかも謎です。

このカエル、マメに世話をするとかえって死んでしまうという話もあります。ワタシは7~10日ごとに掘り返してコオロギをあげています。水は3日おきくらいに補給しますが、主な世話はこの水補給。ほとんど「土を飼っている」ようなカエルなのですが、エサを食べるところや掘り出されて顔に付いた土を拭うところなど、動きがとても癒し系な、なんともかわいいカエルなのです。

■ライター紹介
【エドガー】

鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。