おにぎりというと三角かたわら型、というイメージが強いですが、形にとらわれず自由な発想で形作る「おにぎりアート」というものがあります。人物や動物など、ご飯が自在に形を変えるさまは、おにぎりの無限の可能性を感じさせてくれます。

 数々の独創的なおにぎりを作ってきたおにぎりアート作家・おにぎり劇場さんが、ストーリー性のあるおにぎりをTwitterに投稿しました。まるでクレイアニメを思わせる、可愛い4コマ作品です。

 ご飯を自在に操り、色々なフォルムを“おにぎり”として生み出す、おにぎり劇場さん。作品はTwitterやYouTubeで発表しているほか、著書も出版されています。

 今回の4コマ作品について、おにぎり劇場さんは「極力シンプルなおにぎりを作りたいとぼーっと考えていて、連想ゲームのように次々と浮かんできたので作ってみようと思い立ちました」と語ります。

 まずは「おにぎりといえば三角だけど四角がいい」という発想で、シンプルな直方体。「単色で再現するなら白、グレー、茶色あたり」と考え、こんにゃくを作ることに決定しました。

最初はこんにゃく(おにぎり劇場さん提供)

 次に四角いこんにゃくが変形し、今度はグレーのブロックに。穴の空いている部分は、へこませた上で海苔を貼り付けて表現しています。

ブロックに変形(おにぎり劇場さん提供)

 そして、穴に何かを入れてみたい、と思ったおにぎり劇場さん。小さい穴に入りたがる小動物……ということで選ばれたのは、ハムスター。むっちりしたお尻と、一生懸命踏ん張る脚が可愛いですね。

ハムケツ(おにぎり劇場さん提供)

 最後のコマはハムスターの全身。目は黒ごまペーストと白ごま、手足や耳、鼻の色付けはケチャップとマヨネーズを合わせた“オーロラソース”、口は細く切った海苔と練りごまで表現しているそうです。

ハムスターが出てきました(おにぎり劇場さん提供)

 造形について、おにぎり劇場さんは「ブロックで、工業製品ならではの正確な形を表現するのが大変でしたね。特に角や側面のへこみ部分、穴の部分もへこませた内側に海苔を貼る作業が難しかったです」と語ってくれました。

 お気に入りなのは「ハムケツの、踏ん張ってる後ろ脚が好きです」とのこと。この辺りは、ハムスター好きの方もチャームポイントとして共感できるのではないでしょうか。

 これらのおにぎり、大きさはブロックが13~14cm、ハムスターは握りこぶし位だそう。食べるのにもちょうどいい大きさですが、全部食べると満腹になっちゃうかも?

<記事化協力>
おにぎり劇場さん(@mZHtgivNQr33RCL)

(咲村珠樹)