小動物が好きな方の中には、一緒にお出かけしたいという夢をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ストレスに弱かったり事故にもつながるので、実現するのはちょっと無理な話。

 それでは、いつも一緒にいられるようなアクセサリーではどうでしょう?羊毛フェルトのようなリアルさと、型崩れしない長所を持つ「ファーリークレイ」という技法で、小動物のアクセサリーを作っている方がいます。

 ハムスターやヤマネ、リスなどの小動物をモチーフとしたアクセサリーを作っているのは、Y’s Felt Artのゆかりんさん。「ファーリークレイ」という独自の技法で、羊毛フェルトのリアルさと型崩れせず持ち歩ける丈夫さを両立させています。

ファーリークレイのシマリス(ゆかりんさん提供)

 以前は羊毛フェルトでリアルで可愛い動物のオブジェを作っていたといいます。あるときカチューシャにリアルなシマリスを付けてみたことをきっかけに、羊毛フェルトでリアルな動物アクセサリーを作り始めました。しかし、羊毛フェルトには触っているうちにふわふわ感が損なわれ、型崩れしてしまうという弱点があり、そのことを克服できないか……とも考えていたそうです。

粘土の原型(ゆかりんさん提供)

 試行錯誤のすえに編み出したのが、粘土でできた像にファーを貼り付け、羊毛フェルトの手法も使いながら作る「ファーリークレイ」という技法。羊毛フェルトと違って芯となる像があるため、ふわふわの手触りとリアル感、型崩れしない丈夫さを兼ね備えたものになっています。

ファーを貼り付ける(Y's Felt Art ゆかりんさん提供)
羊毛フェルトの手法で仕上げる(ゆかりんさん提供)

 これにより、より気軽に触ったり身に着けていただけるアクセサリーが実現可能となりました。現在は「大人が付けても恥ずかしくないリアル可愛いにこだわり、バッグからのぞいているように見えるデザインや、まるで本物のペットを連れ出しているように見える全身タイプのマグネットブローチやカチューシャを主に考案・制作しています」とゆかりんさん。

バッグから顔をのぞかせたように見える(ゆかりんさん提供)

シマリスのカチューシャ(ゆかりんさん提供)

 マグネットブローチにしているのは、革製品など穴を開けたくない素材にも使えるようにしたかったから、とのこと。その反面、外れやすくもあるので、チェーンでマグネットとアクセサリーを繋いだ仕様になっています。

顔をのぞかせるヤマネ(ゆかりんさん提供)

 バッグに取り付けてみると、まるでバッグの穴からピョコンと顔をのぞかせているみたい。人間のお出かけに、内緒でついてきちゃったかのような雰囲気です。

顔をのぞかせるシマリス(ゆかりんさん提供)

 大きさにもよりますが、作品は1体あたり30~40時間はかかるとのこと。ちょうど全身のサイズ感がいいので、ハムスターを手掛けることが多いそうで「そのせいでハムスター作家と世間に思われつつあります」と苦笑されています。また、シマリスは安定して人気だとのこと。

ハムスター(ゆかりんさん提供)

 全身タイプの作品は、身につけるだけでなく単体で楽しんでも楽しそう。王冠を戴いたシマリスや、唐辛子の馬に乗ったヤマネ、食べ物を抱えてコロンと仰向けになったハムスターなど、ファンタジーの世界が広がります。

シマリスの王様(ゆかりんさん提供)
唐辛子の馬に乗ったヤマネ(ゆかりんさん

 ゆかりんさんのファーリークレイ作品は、Y’s Felt Art公式サイトを窓口にBASEやminneで販売しているほか、店舗で不定期に開催される企画展で直接手に取って購入することが可能。2022年2月20日~27日には、静岡県沼津市のweekend booksにて開催中の「ふわふわのほわほわ4」に出展されています。

<記事化協力>
Y’s Felt Art ゆかりんさん(Twitter:@ysfeltart11/Instagram:yukarin5211)

(咲村珠樹)