オーストラリア空軍とボーイングが共同開発している、戦闘機と連携して飛行する無人機(ドローン)の「ロイヤル・ウィングマン(Loyal wingman=忠実な僚機)」試作機が2021年3月1日(現地時間)、オーストラリアのウーメラ試験場で初飛行しました。初飛行の成功を受け、オーストラリア空軍は追加で3機の試作機も発注しています。

 オーストラリア空軍が構想する「ロイヤル・ウィングマン」は、有人の戦闘機と連携して飛行し、搭載したセンサーで有人機の索敵範囲を拡大するとともに、攻撃にも参加するという無人機。ボーイングの「エアパワー・チーミング・システム(ATS)」をベースにし、現地法人ボーイング・オーストラリアと共同開発する形で計画が進められています。


 試作1号機は2020年5月に完成。その後、搭載するジェットエンジンの選定と地上運転試験を経て、2020年10月下旬から地上滑走試験が続けられてきました。


 満を持しての初飛行が実施されたのは、南オーストラリア州中部にあるウーメラ試験場。日本の小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」「はやぶさ2」のサンプルカプセルが帰還した場所としても知られている、世界最大級の面積を誇る兵器・航空宇宙実験場です。

 ロイヤル・ウィングマン試作1号機は、ウーメラ砂漠上空を飛行し、無事着陸。これはオーストラリアで開発・製造された軍用機として、およそ半世紀ぶりの記念すべき出来事にもなりました。

 初飛行の成功を受け、オーストラリア空軍でこの計画を統括するキャサリン・ロバーツ少将は「これは空軍とボーイング・オーストラリアとが長期間取り組んでいる重要なプロジェクトでの大きな一歩であり、これから重ねられる試験成功の一部となることに興奮を禁じえません。ロイヤル・ウィングマン計画は、自立システムとAIを統合し、先進的な人と機械のチームを形作るための先駆者となります」とのコメントを発表しました。

 ボーイングの防衛部門、ボーイング・ディフェンスのリーン・キャレットCEOは「ボーイングとオーストラリアは、有人機と無人機を完全に統合した戦闘システムの先駆者です。私たちはオーストラリア空軍と新たな航空史の扉を開いたことを光栄に思うとともに、ロイヤル・ウィングマンの能力がどのようなメリットをもたらすか、楽しみにしています」というコメントを発表しています。

 試作1号機の初飛行成功により、オーストラリア政府はさらに3機の試作機を追加発注する契約をボーイングと締結。試作1号機は今後、有人戦闘機との編隊飛行試験などが予定されています。

<出典・引用>
ボーイング ニュースリリース
オーストラリア国防省 メディアリリース
Image:Commonwealth of Australia/Boeing

(咲村珠樹)