東京都は2021年1月20日、新型コロナウイルス感染者のうち自宅療養者を対象に、健康観察や食料品配送などを行なう「自宅療養者フォローアップセンター」の対象地域を都内全域へ拡大すると発表しました。あわせて自宅療養者や同居者に対し、心のケアなど期間中に気を付けるべきことを指針としてまとめた「自宅療養者向けハンドブック」を作成。配布を開始します。

 日本政府は東京都など11都府県を対象に、2021年2月7日までを当面の期間として緊急事態宣言を行っています。医療現場の病床ひっ迫も重要な課題ですが、自宅療養者に対する支援も不可欠です。

 東京都では1月22日、自宅療養していた30代の女性が自死していたことが明らかになりました。NHKなどの報道によれば、残されていたメモには「自分のせいで周りに迷惑をかけてしまい申し訳ない」という内容が書かれていたといいます。

 感染拡大を防ぐため外部との接触を断ち、自宅療養している人にとってみれば必要な情報が手に入りにくく、自分が何を頼りにすればよいか分からない状況が続いていることが考えられます。孤独に心が押しつぶされてしまう人もいるでしょう。

 東京都は自宅療養者向けに昨年11月「自宅療養者フォローアップセンター」を開設。保健所を設置している多摩地方を対象に、自宅療養者に対しLINEを活用した健康観察や、自宅療養中に必要とする食料品の配送を行ってきました。

 この「自宅療養者フォローアップセンター」の対象地域を都内全域に拡大することが明らかになりました。1月25日より、都内保健所設置区市の保健所のうち、準備が整ったところから順次導入するとしています。

 支援の内容はLINEを活用し、専用LINEチャットボットで保健所が毎日の健康状態を確認するほか、外出せずに療養できるよう7日間の食料品等を配布するとのこと。また、24時間対応の自宅療養者専用医療相談窓口を開設するといいます。

 また1月15日からは、新型コロナウイルス感染症の重症化を示す目安となる血中酸素飽和度(SpO2)を測定する「パルスオキシメーター」を都内全域の自宅療養者に対し、貸し出しを始めています。数量に限りがあるため、当面は高齢者など、優先度の高い人から優先的に貸与するとしています。

 あわせて、療養期間中に療養者本人と同居者に向け、気を付けることの指針をまとめた「自宅療養者向けハンドブック」を東京iCDC(東京感染症対策センター)専門家ボードの感染制御チームが作成しました。他の人に感染させないためにできることや、安心して自宅で過ごす方法、同居者に知ってほしい感染者のケアのことや、自宅での感染予防についてまとめられています。

 この「自宅療養者向けハンドブック」については、1月25日以降に対象者に向けて配布するとともに、東京都福祉保健局のサイトからもPDFファイルとしてダウンロードできるようになっています。どのようにして新型コロナウイルスに感染するか、という点についてもまとめられているので、感染者以外でも再確認の意味もふくめ、読んでほしい内容となっています。

 重症化するかもしれないという不安を抱え、苦しい日々を送っているだろう自宅療養者。しかし「自宅療養者フォローアップセンター」へ相談し、一人で抱え込み、悩まない生活を過ごしてもらえればと強く思います。

 また「自宅療養者向けハンドブック」を読むことで、少しでも周囲の人の理解が得られれば、自宅療養者との生活の向き合い方が変わるのではないだろうかと思います。けして他人事ではなく、自分もいつ感染するか分からない、という当事者意識を持っていたいものです。

新型コロナウイルス感染症 自宅療養者向けハンドブック(令和3年1月21日版)ダウンロードページ

情報提供:東京都