恒例の日米共同訓練「キーンソード」が2020年10月26日、本州および沖縄周辺で始まりました。陸海空の各部隊が参加し、11月5日までの日程で各地の演習場や海域でともに訓練することを通じ、日米相互間の運用性向上と緊密な関係の強化を図ります。

 日米共同訓練「キーンソード」は、2年に1度実施される大規模な実働訓練(フィールド・エクササイズ)。アメリカインド太平洋軍に所属する部隊と自衛隊が同じ演習場で訓練を実施し、日米の部隊における即応体制と相互運用性を強化するものです。


 青森県には沖縄県から、アメリカ陸軍第1高射連隊に所属するペトリオット地対空ミサイル部隊が到着。日本の自動車登録ナンバーがなく、一般道を自走できないため、各車両はトレーラーに載せて演習地まで陸送されます。


 今回の「キーンソード」には、カナダ海軍からフリゲートのウィニペグ(FFH-338)も参加。アメリカ海軍のロナルド・レーガン空母打撃群とともに、海上自衛隊との訓練に臨みます。

 日本近海では26日、海上自衛隊の第1護衛隊と第4護衛隊が、アメリカ海軍のロナルド・レーガン空母打撃群と編隊航行訓練を実施。護衛艦かがと空母ロナルド・レーガンを中心に隊形を組み、一糸乱れぬ戦術運動も見せています。新鋭のあさひ型護衛艦2隻(あさひ、しらぬい)も「キーンソード」初参加です。

 在日アメリカ軍司令官のケビン・シュナイダー空軍中将は、訓練の開始を前に「統合運用における新たな、より良い方法を探っていくにつれ、この種の共同訓練は日米同盟の強化を明確に示しています。新型コロナウイルスによる世界的な影響は甚大ではありますが、日米の同盟関係は衰退することはなく、戦い、勝利する用意は常にできています」とコメント。新型コロナウイルス禍という状況においても、感染防止に努めながら訓練を進める姿勢を明らかにしています。

 今回の訓練では、いわゆる「島しょ奪回」のシナリオで、陸上自衛隊の水陸機動団とアメリカ海兵隊(第3海兵遠征軍)、そしてアメリカ海軍のドック型揚陸艦アッシュランド(LSD-48)が共同で上陸作戦を実施します。日米共同訓練「キーンソード」は、11月26日まで本州と沖縄県にある演習地と日本近海で行われ、11月5日まで続く予定です。

<出典・引用>
アメリカ海軍太平洋艦隊 ニュースリリース
Image:U.S.Army/U.S.Navy

(咲村珠樹)