「戦車」と聞いて、どのような車両を思い浮かべるでしょうか?長い砲身があるもの、キャタピラーで走行するもの、車体がモスグリーンのカラーのもの……などさまざまでしょうが、実はそれ、「戦車」じゃないかもしれません。

 「自衛隊鹿児島地方協力本部」公式Xアカウントのポストに、注目が集まっています。

……えぇ……そうなんです……
またか……って思いました……
イベントでアレをみた子が
「お父さん!戦車がいるよ!かっこいいね!」って……
いや……自分も「かっこいいよね!」って言ったけど……
違うんですよ……割りきれないんですよ……
だから、もう一度だけコレをみて。

 上記の内容と共に投稿された画像には、10台の自衛隊車両が写っています。

 左側に描かれた「一般人」のイラストは、これら全てを「戦車だ!」と認識していますが、右側の「陸上自衛官」は上の3つだけを「戦車」と認識。その他の車両は「自走榴弾砲」「偵察警戒車」「機動戦闘車」で、「戦車」ではないとのこと。そうだったんだ……!

戦車かそれ以外かの見分け方

 この理由については辞典にも書かれているというので「大辞林」で調べてみると、「戦車」の項目には「厚い装甲で全体を防護し、火砲を搭載してキャタピラーで走行する車両」と書かれていました。つまり、「火力」「機動力」「防護力」の3要素を備えていなければ、戦車とはならないのです。なるほど……!

 投稿によると、今回イベントに出ていた車両は「軽装甲機動車」であったようですが、その場で即座に訂正してしまうのは無粋というもの。子どもの「かっこいい」と感じた気持ちを無下にすることはしなかったそうですが……やはり現職の人間としてモヤモヤする気持ちは抑えられず、投稿に至ったそうです。

 コメント欄には「なんか撃てそうなのついてるやつはみんな戦車の認識だった」という戸惑いの声が寄せられる一方、「めちゃくちゃわかりますw」という有識者たちからのコメントも多数。

 筆者もこれを機に正しい認識を身に付け、イベント等で自衛隊車両を見かけた際は我が子たちに「実はあれって戦車じゃないんだよ」……と説明できるようにしたいと思います。

<記事化協力>
自衛隊鹿児島地方協力本部公式Xアカウント(@kagoshima_pco

<参考・引用>
大辞林 第四版
防衛省「(VOICE)研究開発(新戦車)に携わる技官の声

(山口弘剛)