ロッキード・マーティンは2020年8月24日(現地時間)、ミシガン湖で実施していたアメリカ海軍の最新沿海域戦闘艦ミネアポリス・セントポール(LCS-21)の引き渡し試験が、無事終了したと発表しました。今後ミネアポリス・セントポールは最終的な艤装と調整を実施したのち、2021年の初めごろにアメリカ海軍へ引き渡されます。

 ミネアポリス・セントポールは、2018年2月に建造が始まったフリーダム級沿海域戦闘艦の7番艦。艦名の由来となったのは「ツイン・シティ」の別名で知られるミネソタ州のミネアポリス・セントポール都市圏で、先代はロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦(2008年退役)でした。

 ウィスコンシン州マリネットにあるロッキード・マーティン傘下の造船所、マリネット・マリンで建造された沿海域戦闘艦ミネアポリス・セントポール。2019年6月15日に進水し、艤装を終えた8月から造船所の面するミシガン湖で、全力航行や旋回能力といった船舶としての機能、航空支援や小型ボートの発進・回収、各種システムなど運用面の試験を続けてきました。

 ロッキード・マーティンの小型戦闘・船舶システム部門でゼネラル・マネージャを務める、ジョー・デピエトロ副社長は「LCS-12(ミネアポリス・セントポール)は姉妹艦の列に加わり、アメリカ海軍に独特の柔軟性と能力を提供します。フリーダム級は特に、航海の自由確保、麻薬取締り、および人道支援に適しており、さらに装備を追加することで幅広い任務に対応できます。今回の試験で、艦の操縦性や自動化システム、戦闘能力の中核部分についての機能に問題ないことが確認されました」とのコメントを発表しています。

 アメリカ海軍の沿海域戦闘艦は、すでにフリーダム級とインディペンデンス級を合わせ21隻が引き渡され、うち19隻が戦力化されて任務についています。このほかにフリーダム級2隻、インディペンデンス級4隻が建造中で、7隻が建造へ向けての準備が進行中。インディペンデンス級は太平洋艦隊(カリフォルニア州サンディエゴ)に集中配置され、フリーダム級は2隻を除きフロリダ州メイポートを母港とし、それぞれの特性に合った運用がなされています。

<出典・引用>
ロッキード・マーティン ニュースリリース
Image:Lockheed Martin/U.S.Navy

(咲村珠樹)