にこやかな表情で餃子を小脇に抱えた二本足で歩く猫。それもただ持っているのではなく、macbookを持っているかのようにスタイリッシュに抱えている姿がちょっとシュールで可愛らしく見えます。こちらは、刺繍を始めて3年目というSUIMINさんの作品。Twitterに投稿するやいなや、リツイートでは「発想が可愛い」「この感性は素晴らしい」と8万件以上のいいねがつくほど反響が大きかったようです。

 なんでも、以前に勤めていた会社を退職後、体調を崩して入院し、退院後の療養期間中に何かできることはないか……と思ったのをきっかけに、学生の家庭科以来してこなかった刺繍をしようと思い立ったとか。その当初SUIMINさんは、刺繍作家の樋口由美子さんの刺繍図案をただひたすら練習し、オリジナルの作品作りを始めたのは、そこから4か月後のことだったそうです。

 ちなみに作る作品の多くは猫がモチーフ。実際に猫を飼われているのかも?と思い、聞いてみたところSUIMINさんのおばあ様の黒猫が自宅にいるそうで、その影響からか作品の中にもしばしば黒猫が登場しています。

 猫の表情がニコッとしていて可愛らしくしているのには何か理由があるのか聞いたところ「特にこうしようと思って意識せずに成り行きに任せて制作しています」とSUIMINさん。刺繍で描いた事が表情に反映されたら良いなという思いから、顔は最後に刺繍をするそうです。

 こちらの作品の一番の肝になるmacbookを持ち歩くようなポージングの猫は、餃子バージョンだけでなく、フランスパンや、魚、お寿司などを抱えたものもありました。SUIMINさんの話によると、最初にこういう持ち方にさせたのは、サンマだったそうなのですが、なんとなく面白いかなと思って刺繍してみたとのこと。制作時間は、だいたい2~3時間かかるそうです。



 これからも猫のモチーフをメインに刺繍を続けていきたいというSUIMINさん。最後に、制作の原動力は何ですか?と聞いたところ「刺繍するのが好きで、続けて行く先に良いことしか待っていなさそうな気がするところでしょうか。刺繍ってやればやるほど上手くなるんです。上達すると、自分が作りたいイメージに近いものが作れるようになるのでできる事が増えていきます。それがとても楽しいです」と語って下さいました。

 なお、SUIMINさんの作品はハンドメイド通販サイト「minne」(@tomopeta)にて不定期販売が行われています。販売情報は、インスタグラム(suimin.stagram)かTwitterにて告知されるとのこと。また、 今後、展示会にも出展するそうなので、ご興味のある方はぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

■展示会の日程
toritoRu(京都)企画展 9/12~10/9
weekend books(静岡)「猫町パレード」11/24~12/1
Watagumo舎(香川)「猫展」2020/2/22~3/1

<記事化協力>
SUIMINさん(@suimin_tter)

(黒田芽以)