世の中には様々なサギが存在し、ターゲットを決めたら執拗に狙い続けます。年配者が多い農家の場合、サギの標的にされるケースもしばしば。日頃から気をつける必要がありますが、とある農家が一風変わったサギグループに狙われた様子をTwitterに投稿し、その生々しさが反響を呼んでいます。

 サギグループに狙われる様子をTwitterに投稿したのは、コメ農家のからげるさん。どんなサギかというと、金品をだまし取る「詐欺」ではなく鳥の「鷺」の方。稲刈り作業の現場に飛来したサギたちの姿を「サギグループに狙われてる」とツイートしました。

集まってきたサギ(からげるさん提供)

 集まってきたサギは、素人(一般人)をターゲットにした詐欺師の「シロサギ」ならぬシラサギ。大きさ的にチュウサギか、ダイサギといったところでしょうか。知らない方からすると冗談のように思われるかもしれませんが、俗に「シラサギ」と呼ばれるサギには、大きさによってダイサギ、チュウサギ、コサギという大・中・小の3種がいるのです。

どうみてもサギに間違いない(からげるさん提供)

 シラサギ類の主な食べ物は、田んぼや湿地帯にいるバッタやイナゴなどの昆虫や、カエルなどの両生類、またはドジョウなどの小型魚類。今回は稲刈り中の田んぼなので、イナゴやカエルなどを目当てに集まってきたようです。

田んぼに集まるサギとカラス(からげるさん提供)

 稲刈り期間中、連日やってくるというサギグループ。時には黒ずくめの集団(カラス)も集まってきます。カラスもイナゴなど昆虫を捕食するほか、稲の落穂(落穂拾い)を狙っているようです。

食べ物を探すサギとカラス(からげるさん提供)

 サギグループは「地域差もあるでしょうが、だいたい6~10羽程度見かけます。カラスは気まぐれで1羽の時もありますし、10羽くらいの時もあります」とからげるさん。特に農作業の邪魔はすることなく、刈り取りが終わった場所でカエルなどのエサを探しているといいます。

 サギやカラスの方も、自分に危害を加える存在ではないと認識しているのか、からげるさんによると「脅かしたりしても、ちょっと離れてこちらの様子を見ています」とのこと。絶妙な距離を保ちながら、自分たちにとってのエサ場が整備されていくのを待っているようです。

人間が近づいてもなかなか逃げない(からげるさん提供)

 筆者も田園風景が身近な土地に住んでいる関係で、この時期田んぼに集まっているサギやカラスをたびたび見かけます。かなり近寄っても逃げようとしないので、やはりこちらを安全な存在だと認識しているのかもしれません。

 田んぼにやってくるサギは虫などを食べてくれ、フンは肥料になるリンを含んでいるので「鳥類の飛来自体は農家にとっては土壌を良くする益鳥だと捉える人が多いです」と語るからげるさん。農家と鳥との良い関係がうかがえます。

サギは益鳥の側面も(からげるさん提供)

 鳥のサギは歓迎される存在ですが、犯罪のサギには警戒しなくてはなりません。くれぐれも「うまい話」や「都合の良すぎる緊急事態」などには気をつけ、複数の信頼できる人に相談するなど、騙されないようにしたいものです。

<記事化協力>
からげるさん(@karageru_0213)
※見出し画像はからげるさんTwitterからのスクリーンショットです

(咲村珠樹)