疫病の発生を予言し、人々を守る妖怪「アマビエ」。新型コロナウイルスの感染拡大で注目を集め、様々な人が作品を発表しています。漫画家のおかざき真里さんらのイラストや、Twitterで発表された作品を収録した本が5月19日に発売されることになりました。

 江戸時代の弘化3年4月中旬(太陽暦1846年5月)、現在の熊本県で海中から光とともに現れたという半人半魚の妖怪アマビエ。見た人に対して豊作と疫病の流行を予言し、自分の姿を描き写して、人々に見せるよう語って再び海中へ戻っていったといいます。

 故・水木しげるさんのイラストや、アニメ版「ゲゲゲの鬼太郎(第5シリーズ)」にも登場したアマビエが今回の新型コロナウイルス禍で注目され、疫病退散の願いを込めてねぷたやイラスト、編みぐるみなど様々な作品が生み出されました。

 なかでもTwitterでは、ハッシュタグ「#みんなのアマビエ」のもと、漫画家をはじめ様々なアーティストやクリエーターがアマビエをモチーフにした作品を投稿。これらの作品を集めた作品集「みんなのアマビエ」(扶桑社/税抜1000円)が5月19日に発売されると、漫画家のおかざき真里さんがツイートしました。

 収録されるのは、おかざき真里さんをはじめ、水木しげるさん、西原理恵子さん、松田洋子さん、永野のりこさん、寺田克也さん、田中圭一さん、なかはら・ももたさんといった8名の漫画家のほか、イラストや彫刻、陶芸、ガラス、織物、あみぐるみまで様々な作品。もちろん「#みんなのアマビエ」のタグでTwitterに発表された作品も含め、作者は総勢87名にのぼります。

 この本の売り上げは、一部が新型コロナウイルス対策基金に寄付されるとのこと。江戸時代の伝説通り、アマビエを描いた作品が疫病である新型コロナウイルスに打ち勝つための力になる、という仕組みです。

 アマビエの力は厚生労働省も注目しており、若い世代に向けて、知らぬ間に感染拡大を助長しないようにと啓発するアイコンに採用しています。

 日本に広がるアマビエの輪。新型コロナウイルス禍が去る力になっていくことを祈りたいですね。

<参考・引用>
おかざき真里さんTwitter(@cafemari)
厚生労働省

(咲村珠樹)