一般家庭の玄関において、見かけることの多い「WELCOME」と書かれたプレート。もちろん客人を気持ち良く出迎えるために飾るものですが、このあたり前の光景に目を付けたのは、クリエイターの「八羽」さん。

 これをなんと真逆の意味になってしまう「逃げて」という文字に変えてしまいました。もしも訪問先に飾られていたら……怖くてすぐに回れ右してしまいそう。

 まさに「その発想はなかった……」というべき作品を閃いたきっかけは、八羽さんの実体験が元になっています。

 なんでも、知らない人の家の玄関先に置かれていたウエルカムプレートを見た際に「見ず知らずの私に対してウエルカムではないでしょ」と感じたそうで、それならばいっそ反対の意味にしてみては?と、アイデアを広げていきます。

 「ようこそ」の反対であれば、「さようなら」や「お帰り下さい」といった言葉が当てはまりそうですが、もっと遠回しで、なおかつ相手を傷つけずに伝えられる言葉は何かな、と考えた結果、最も適していると思ったのが「逃げて」の三文字でした。

怖すぎるウエルカムプレート

 素材にはMDF(中密度繊維板)と呼ばれる木質繊維を原料とする成型板を使用し、文字状にレーザーカッターで加工を施しています。

 従来のウエルカムプレート同様に、出来るだけスタイリッシュに、インテリアとして成立するように意識して制作。文字のフォントもなるべく主張しすぎないデザインのものを選択しました。

 その出来栄えについては、「想像通りにはできました」と満足してはいるものの、「字面のせいであまりスタイリッシュとは言えませんが……」と八羽さん。

 それでも、投稿には6万いいねが寄せられる大反響となり、引用投稿には「怖すぎる」といった声に加え「怪しい訪問販売とかにはいいかも」「夜に光ってたら泥棒も腰抜かすだろうな」と、思わぬ活用方法も。たしかに、迷惑行為や防犯対策としては効果がある……かもしれません。

<記事化協力>
八羽さん(@aoiwa_88

(山口弘剛)