「時」に翻弄される不定期にチラッと掲載されるタイトル通りの鉄道コラム、ひろっぴの「ゆるりと鉄で参ろうか」。暫く間が開いてしまいましたが、ようやくの第四回目でございます。
今回は「鉄道」にとって重要な「時間」についてのお話し

日本の鉄道、その一番の特徴として挙げられるのが「時間の正確さ」です。


分単位、秒単位で事細かに決められた鉄道のダイヤが正しく動くことによって、我々は目的の場所に遅れること無くたどり着くことが出来ます。
パソコンや携帯電話などから利用出来る「乗換案内サイト」というのも、鉄道がダイヤ通りに狂いも無く動いていることがあたりまえだからこそ成り立つサービスでしょう。

ただ、この「時間の正確さ」、鉄道趣味においては厄介なものであったりもします。

例えば「乗り鉄」の場合、社会人ともなると少ない休日を利用して行動することになります。
となると、目的となる列車に間に合うように行動するためには現地までの移動に関しては「短時間で、無駄なく、効率よく」と考えます。
特に移動の途中で乗り換えなどが発生する場合、乗り換えにかかる時間を見越しておくことや、どの駅で乗り換えるのが無駄がないのかなどを時刻表を駆使して調べた上で行動することになります。

ただ、「短時間で、無駄なく、効率よく」ということで調べ上げた時間というのは、日本の鉄道における特徴として挙げられる「時間の正確さ」によって支えられており、これが崩れるとあっという間に崩壊してしまうのです。
鉄道では「人身事故」「信号トラブル」「車両トラブル」など様々な原因による「列車の遅れ」が発生します。
ひとたび「列車の遅れ」に巻き込まれると、乗換駅での乗り換えができず、結果的に待たされることになり、目的地への到着が大幅に狂ってしまって、結果的に目的を果たせないまま終わってしまうこともあるわけです。

「撮り鉄」の場合も同じで、目的となる列車に間に合うように行動するため、あるいは目的となるところで少しでも長く滞在できるようにと考えると、現地までの移動に関しては同じように「短時間で、無駄なく、効率よく」となるのですが、これも「列車の遅れ」に巻き込まれてしまった結果、目的を果たせないということになってしまうわけなのです。

ただ、「撮り鉄」の場合は「列車の遅れ」に巻き込まれたことで本来であれば無駄足になるはずだったのが間に合って撮影できた、なんていうこともあったりするので、それはそれで……(苦笑)

自分も以前は「短時間で、無駄なく、効率よく」ということで調べ上げて行動していましたが、最近では「何時までに(現地に)到着すればいいか」というのを決めてそこから逆算した上で、途中に余裕を挟めそうならば挟んでいって出発時間を決めるという方法にしています。
これならば途中での時間調整も可能ですし、余裕を持って行動できるからです。
(生理現象って時間に余裕が無い時に限って切羽詰った状態に陥れるのでねぇ……(苦笑)

ということで、「世の中、効率だけを求めていってもダメよ」というおはなしでした。
さて、次回は「損得」に絡んだおはなしを。それでは……。

■ライター紹介
【ひろっぴ】

幼少の頃からの「鉄道」好き。一時期は離脱していたものの、10年ほど前にふとしたきっかけで出かけた先の地方鉄道への乗車で、再び鉄ヲタの道へ。
以後、鉄ヲタの道を極めるべく、あちこちへと出向くのである。