毎回マニアックな話題をおとどけしています不定期連載の「エドガーの無所可用、安所困苦哉」。

第16回目は、去る6月25日から27日の三日間開催されました、鉄道模型運転会のレポートです。


諸事情ありまして、運転会には26日夕方から合流しました。そのため、運転に参加した時間は短いのですが、今回はワタシがダイヤ作成・車輌指定・運転指令担当などをつとめております。またN以外ではOn30というスケールをやっていますので、そのへんを中心にレポートいたします。

会場は御殿場某所。線路のメニューは

    ・Nゲージ・ダイヤ運転用
    ・Nゲージ・アナログ
    ・Nゲージ・アナログ子供用
    ・HO(1/87・レール幅16.5mm)・ヨーロッパ
    ・HO(1/87・レール幅16.5mm)・アメリカ
    ・HOm(1/87・レール幅12mm)
    ・On30(1/48・レール幅16.5mm)
    ・プラレール(プラレールとNゲージアナログ以外はすべてデジタル)

というエントリーです。体育館をまるごと借り切っての3日間です。

まずはワタシがダイヤ作成と運転指令をさせていただきましたNゲージのダイヤ運転。テーマは「北海道の石炭輸送」。地味かつマニアックなテーマです。

補足的に実物の話ですが、かつて北海道中央部には、夕張・砂川・空知・芦別など、たくさんの炭鉱があったのでございます。そして、多くの炭鉱は石炭を輸送するための専用鉄道を有しておりました。それらの専用鉄道は国鉄に接続し、小樽や室蘭へと石炭を輸送していたのでございます。

そんな時代を考えつつ、石炭輸送を行うのですが、実物の鉄道のように「ダイヤグラム」を作成し、時間を合わせて運転します。

(この運転会では、毎回テーマを変えつつ、ダイヤグラムを作成し、ダイヤに時間を合わせた運転を行っています。専用の車輌も用意し、駅を配置し、時間を設定(時間は10~20倍します)して運転します。)

しかし、石炭輸送は地味な世界。単調な貨物列車が走るだけです。そこで、今回はゲーム性を取り入れ、3つの炭鉱を設定し、各炭鉱が経営を競うことにしました。

各炭鉱から積み出し港まで石炭を輸送すると、港で石炭が買い取られる、という仕組みです。石炭の量と価格はカード引きで決定します。貨車n台分の石炭を、m円で売る、という感じのルールです。

そして国鉄線を走る区間は、国鉄に貨物輸送代金を払います。輸送量より売値のほうが高くならないと赤字になります。ただし、ゲーム的には赤字も必要なので、わざと赤字になるような設定もあります。
そんなゲーム的運転ですが、わざわざ石炭を積み込むホッパーを作ってくださったメンバーもいました。そして運炭列車は写真のこんな感じです。

ダイヤ運転はすべてデジタル化されており、一人一人が任意の列車を運転できます。

ダイヤをにらみつつ、早すぎず遅すぎず、特急列車の通過待ちをしたりしながら(貨物列車は速度が遅いので、途中で旅客列車に追い抜かれます)運転します。コントローラーには、仮想世界の現在時間が表示されるので、運転者はダイヤとコントローラーがあれば列車が遅れているのか早すぎなのかわかります。

最初はうまく回らないこともありましたが、徐々に慣れてきて、順調に運転されました。ちなみにゲームは初期持ち金$400(ゲーム用マネーがドルしかなかったので、この日のみ特別な「北海道ドル」としましたw)でスタート、優勝チームは倍増して$900に迫りましたが、赤字で終わったチームも……。

このゲームダイヤ運転は、朝4時~夜21時までのダイヤ設定で、正味二時間ほどでした。列車が長距離走ったのはもちろん、運転者は列車とともに移動するので(LANコネクタのような口にコントローラーのコードを差し込んで運転します。走行中の差し替えが可能です)、人間も結構な運動になりました。

当日も準備していたので多くは回れなかったのですが、他のスペースも少しご紹介しましょう。

▼プラレール
男の子ならみんな大好きプラレール。
メンバーが結婚し子供が生まれると、プラレールも登場しました。なんと、プラレールでも武蔵野線を模したダイヤによる運転が行われました。

▼HOm
HOmとは、HOと同じ縮尺(1/87)ですが、実物のレール幅が1mの鉄道の模型です。
レール幅1mという路線はヨーロッパには多くあり、特にスイスの山岳地帯に多いです。この赤い機関車は、氷河急行で知られるスイスの「レーティシュ鉄道」の機関車です。実物のレール幅が狭い分、模型になっても狭く、模型では12mmになっています。

▼On30
On30とは、俗にOゲージとかOスケールとか呼ばれる、1/48の鉄道模型なのですが、前述のレール幅1mよりもさらに狭いレール幅30フィート=762mmの鉄道の模型で(ちなみに新幹線・京急・阪急などはレール幅1435mm、JR在来線が1067mmです)、アメリカ型が中心です。実際のアメリカには762mmの鉄道は少なく、もう一回り大きい3フィート=914mmが多いのですが、「HOのレールがそのまま使える」ということで普及しました。また、殆どの機関車がサウンド装置を搭載していて、走行音や汽笛、ベル(アメリカの機関車ばベルがついてます)、ブレーキ音などが楽しめます。

また大きなサイズということで、小さなサイズの模型では再現しずらい「使用感」を演出して楽しむなど、大きなサイズ特有の楽しみ方があります。
機関士を乗せてみたり、車体の疲れた感じや汚れた感じを表現してみたり……というところです。

機関車以外はプラスチック製ですが、なかなか「木でできているような質感」が出ていませんか?ちなみに上中央の客車の窓は本物のガラス(顕微鏡で使うもの)です。
Nゲージの車輌とならべてみるとこのくらいサイズが違います。

ところで、On30にゲストが降臨されました……(ねんどろいどですが、既製品ではなくメンバーの手作りです!)。

テーマ運転以外のフリータイムでは、それぞれ持ち寄った車輌を運転します。通称「模型の運動不足解消」です。運転ではなく工作している人もちらほら……いや結構います。それぞれ好みの模型の線路端で模型談義・鉄道談義に花が咲きます。

そんな感じで時間が過ぎて、日曜日の15時から撤収を開始し、16時半には会場にて解散となりました。

以上、鉄道模型三昧の週末でした。

■ライター紹介
【エドガー】

鉄道、萩尾望都作品、ポール・スミス、爬虫類から長門有希と興味あるものはどこまでも探求し、脳みその無駄遣いを楽しむ一市民。そのやたら数だけは豊富な脳みその無駄遣いの成果をご披露させていただきます。