5月5日は「こどもの日」。端午の節句の日でもあります。子どもの成長を祝う日、とされていますが親世代にももちろん子ども時代は存在していました。

 今の親世代、特に子どもが小学生あたりだとおそらく30代~40代が中心。そして小学生といえばときどき「変わった宿題」を持ち帰ってくることがあります。今回記事を書くきっかけになったのもそれ。

 「大人たち(パパやママ)の子ども時代の遊びをインタビューしよう」

■ 今の子どもたちは「昭和を一括りで認識してる」説

 ある日の編集部内での雑談で、この話題が出てきました。昭和生まれのある編集部員が、お子さんから上記のインタビューをされ「ファミコンかなぁ」と答えたところ、子どもたちに「は?その時代にファミコンがあったの?」とかなり驚かれたのだとか。

 また、今でもみかける「ビックリマン」(昭和52年・1977年発売)もあったことや、「キン肉マン消しゴム(キンケシ)」(昭和58年・1983年発売)という玩具も人気があったことなどを話すとさらに驚かれたそうです。

ビックリマンシール(撮影:おたくま経済新聞)

 詳しく聞くと子どもたちが期待していた答えは「竹馬」「竹とんぼ」「ゴム飛び」や「メンコ」「おはじき」など。まさかファミコンで遊んで、メンコやおはじきではなくビックリマンシールやキンケシを集めていたなんて考えてもいなかった模様。

キン肉マン消しゴム(撮影:おたくま経済新聞)

 確かに昭和生まれだけれども生まれたのは後期。どうやら子どもたちの間では、昭和一括りで色んな文化が誤解されているようです。マジで?

 今の小学生にとっての親世代は昭和後期から平成初期頃に生まれた人がほとんど。そしてこの世代であれば、幼少時にはもうすでにファミコン(昭和58年・1983年発売)を始めとするコンピューターゲームが身近にあったはず。にもかかわらず一体なぜこのような認識違いが起きているのか?

■ 生活科や社会科で習う「昔遊び」が原因?

 念のため、アラフォー筆者の小学生の娘にも聞いてみると、「けん玉とか?」という答えが。……どうやらこの話、本当であるようです。

 どうしてそう思ったのか聞いてみると、「小学校の生活科や社会科の授業で、昔の遊びを習ったから」というのが一番の理由である模様。

 先生とのやり取りの中で、もしかすると「昭和の遊び」といったワードが出たのかもしれません。たしかに筆者も妻も昭和生まれであり、子どもたちもそのことを知っていますが、とはいえ年号が変わる直前の昭和後期。

 全体で64年ある中でも著しい経済成長を経た後の時期でしたので、もちろん「竹馬」や「竹とんぼ」で遊んだことはありますが、夢中になって遊んだかと言われれば、あまりピンとこないのが実際のところ。小学校で行われる地域のお年寄りとのイベントの中で、作って遊ばせてもらった記憶がある、というレベルです。

 「もうゲームで遊んでたんだよ」と説明すると、なんだかちょっとがっかりしたような反応をされてしまいました。だって事実なんだからしょうがないじゃない……。

■ 小学生にとって”昔”の認識はやはり昔すぎた

 ちなみにけん玉が最も流行ったとされるのは1900年代前半頃の明治後期から昭和初期と、筆者の父母が生まれるよりも前のこと。今も競技大会が開かれるなど、メジャーな遊びのひとつであることは間違いありませんが……これはたしかに小学生世代の”昔”の認識がちょっと行き過ぎてしまっていると、言わざるを得ないようです。

また、編集部では「親戚の子から『戦争中のこと教えて』って電話がかかってきたことがある」なんて声も。……小学生世代は我々のことをいったい何歳だと認識しているのでしょうか。(笑)

 初期、中期、後期で遊びも生活の様子も大きく異なるのが昭和の特徴。子どもたちにはその点をしっかり説明してあげる必要がありそうですね。小中学生のお子さんがいる方はぜひ尋ねてみてください。面白い答えが返ってくるかもしれませんよ。

(山口弘剛)