ツイッターユーザーの埋木さんが投稿した1枚の写真。写っていたのは愛知県内で売られているお菓子なのですが……「このお菓子」には、県内でも様々な名前が存在。たくさんの人からお菓子の名前についてコメントが寄せられています。

愛知県限定で「主に小麦粉からなる生地に餡を入れ、金属製焼き型で焼成した和菓子」以上に呼称が統一していないお菓子がございまして…
こちらなんですがね

■ 「パリジャン」「ピレーネ」など人によって呼称が違う

 投稿者の埋木さんは、愛知県西部にある海部地方出身。保育園のおやつででてくるほど馴染みが深く、お気に入りのお菓子だったのだとか。

 小さな頃から「パリジャン」だと思っていたこのお菓子。先日帰省した際に、東三河出身の父が「ピレーネ」と呼んでいたため、呼称が統一されていないことを知り驚いたそうです。

 コメントや引用リツイートを見ると、「パリジャン」、「ピレーネ」の他、「ファンシー」と認識している人が多数。「ポワロン」、「マロン」、「パピヨン」、「シェリール」といった意見もあり、人によって呼び名が違うことがわかります。

 また、呼称について盛り上がる一方で、「全く知らない」といったコメントも。愛知県民の中にはこのお菓子自体を知らない人も一定数いるようです。

■ 原型は洋菓子店ボンボヌールの「ファンシー」

 「このお菓子」のルーツについて調べてみたところ、東海テレビがWEB上で公開している2019年2月と、2022年10月の記事を見つけることができました。それによると原型は愛知県一宮市の洋菓子店ボンボヌールの商品「ファンシー」。昭和41年に始まったそうです。

 しかしながら「ボンボヌール」は後に廃業。オリジナルの「ファンシー」も販売終了していますが、関わった職人たちにより製法は引き継がれ、今では愛知県内にあるいくつかの洋菓子店にて販売されるようになったそうです。ちなみに「このお菓子」の名前がバラバラなのは販売するお店によって、自由に名付けられたからなのだとか。

 代表的なものだけでも、蟹江町にあるパリジャンが販売する「パリジャン」、豊橋市のボンとらやの「ピレーネ」、大府市の洋菓子チロリヤンの「チロリヤン」、春日井市の洋菓子ポワロンの「ポワロン」など、様々な呼称が。

ボンとらやの「ピレーネ」

 こうして店によって菓子名が違うため、お店のある地域によって呼称の認識に違いがでているようです。

 統一された名前がないお菓子、といえば「今川焼き」やら「回転焼き」やらと呼ばれている、例のお菓子にも通じるものがあります。そう考えると「このお菓子」ももしかすると今後さらに名前が増えていくかもしれませんね。

<記事化協力>
埋木さん(@umoregi01

<参考>
東海テレビ「愛知ではメジャーなこの洋菓子…でも人によって呼び方がバラバラだった!謎の先にいた職人 」
東海テレビ「半世紀前に愛知で誕生…「幻のご当地スイーツ『元祖ファンシー』復活させたい」脱サラケーキ職人の挑戦

(一柳ひとみ)