ガンプラ製作を趣味とする「赤い瞳のシャア・アズナブル」さん(以下、投稿主さん)がツイッターに投稿した1枚の写真。見るとそこには、パーツケースを埋め尽くすほどの、大量の薄緑色のパーツが入っています。

 当の本人は「Zガンダム」最終回における「カミーユ・ビダン」のセリフを引用するつぶやきを行うなど、少々錯乱気味である様子。パーツは全てMSジェガンのもののようですが、も……もしやこれは……!?

 察しの良い方はここで気付いたかも知れません。そう、この大量のジェガンのパーツは、「逆襲のシャア」劇中の名シーンのひとつとして語られる「アクシズ・ショック」のジオラマを制作するためのもの。なんでもジェガンだけでも14機を組み立てようとしているのだとか。ヒエッ……。

ジオラマ制作のためのガンプラ(一部)

 投稿主さんは、2022年4月からこのジオラマ制作に取りかかっており、およそ1年が経過しようとしている現在も道半ば。「ギラ・ドーガ」5機、「ジム3」6機、「ジェガン」14機に、主役の「νガンダム」を含めた合計26機を、ただ組み立てるだけでなく、ヤスリ掛け、塗装、LEDの組み込みといった工程を行ったうえで再現しようとしているのだそう。

キットを仮組みした状態

LEDを仕込む手間も

 ガンプラ作ったことがある方なら、聞くだけでもしんどくなってしまうような手間暇をかけて行う作業ですから、まさにカミーユのような精神状態になってもおかしくありません。これには投稿主さんも「初めの頃はそこそこ楽しかったですが、途中からはほぼ地獄でしたね」と、自ら課した目標でありながらも相当参っている様子。

 しかも「場合によっては機体を追加したり塗装し直したり、ジオラマを何度も作り直すこともあるかもしれません」と、これだけの時間を掛けてもなお、その作業は”メビウスの輪から抜け出せない”様子。一体どこまでストイックなのでしょう……。

終わりの見えない作業を支えているのは逆襲のシャア本編の視聴

 しかし、作品のクオリティアップのため、投稿主さんには手を抜いたり、諦めるといった選択肢はありません。早く終わりたいけれど、時間をかけて良い作品を作りたいという矛盾を抱えながら、行う作業のモチベーション維持になっているのは、「逆襲のシャア」アニメ本編の視聴。

 「戦闘シーンや最後のアクシズ・ショックのシーンを観るとやる気が湧いてきます」と、心が折れそうになった時はいつも原作に助けられているのだとか。まさに、作品への深い深い愛情があってこそ、ここまでのこだわりを持つことが出来るのでしょう。

 インタビューの最後には「皆さんを感動させる作品を作ってみせるので、応援よろしくお願いします」と、意気込みを語った投稿主さん。完成時期は2024年を予定しているとのこと。まさに”伊達じゃない”挑戦は、まだまだ続くことになりそうです。

<記事化協力>
赤い瞳のシャア・アズナブルさん(@iynhfgPFRr3yRwP

(山口弘剛)