エジプト神話に登場する、冥界の神「アヌビス」。アフリカキンイロオオカミがモデルとされており、勇ましい姿を思い浮かべますが、長い長い年月を経て、その姿はかわいらしく変化した模様。

 ツイッターユーザー「森田ポリエステル」さんの解釈で生まれ変わった”現代版”アヌビスは、オオカミというよりは……ポメラニアン!?「冥犬ポメビス」と名付けられたフィギュア作品に、注目が集まっています。

 森田さんは3D造形、粘土、ミクストメディアにて作品を制作・自主販売を行っている造形作家。SNSでの作品発表のほか、さまざまな展示会に出展を行うなど、精力的に活動を行っています。

 本作の以前にも「冥犬ポメべロス」という、伝説上の生き物をかわいらしくアレンジした作品をしており、同様のコンセプトで制作されたのが、今回の新作「冥犬ポメビス」。

冥犬ポメラニアン

 元のモチーフを「番犬」や「神」として恐れる対象ではなく、「ペットは家族」という現代的な価値観に置き換えたらどうなるだろう?と考えたのが、アイデアを閃いたきっかけです。

 作品は3DCGソフトで造形データを作成し、3Dプリンタで出力。それに彩色を施すという方法で作られており、中でも特に力を入れたと語るのは「ポメラニアンの体型の再現」。骨格を意識しながら丁寧に造形を行ったそうで、大のポメラニアン好きを豪語する森田さんのこだわりが感じられます。

ポメラニアンの愛らしい体型を再現

 また、アヌビス神が死者の魂を裁くために用いた「ラーの天秤」の要素をしっぽ部分で表現。見た目はかわいらしく変化しても、「死者を判別する」というその役目は健在であるようです。

しっぽの天秤はこだわりポイントのひとつ

 こうしたさまざまなアイデアの詰まった作品は、その愛らしさはもちろんのこと、非常に高いクオリティに仕上がっており、作品を見た方からは「プリッとしたおしりがたまらん」「丸みのバランスが最高」と、絶賛の声が相次いで寄せられています。

 「今後は他の犬種や動物にもトライしていけたら」と、展望を語った森田さん。少し怖いイメージのある伝説上の生き物たちが、どのようにかわいらしく姿を変えるのか、次の作品も楽しみです。

 なお本作は、2月12日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「ワンフェス2023」にて出展・販売予定とのこと。会場に来られない方のために、追加での販売も検討しているとのことでした。

<記事化協力>
森田 ポリエステル™️さん(@mrt_polyester

(山口弘剛)