体長数メートルに及ぶ大きさと細長い形態から、発見されると話題となる深海魚リュウグウノツカイ。釣りをしようと湘南の砂浜を歩いていた人が打ち上げられた個体を発見し、Twitterに投稿しました。頭から尾の先端まで、綺麗に姿が残っています。

 水深200メートルから1000メートルくらいの深海に生息しているというリュウグウノツカイ。発見者の「たま勤王党」さんは、釣りをしようと神奈川県茅ヶ崎市の砂浜を歩いているうち、銀色の長い物体を発見。時刻は「15時30分ごろ」だったといいます。

砂浜に長々と横たわるリュウグウノツカイ(たま勤王党さん提供)

 近づいてみると、頭から続く赤い特徴的なヒレでリュウグウノツカイであると確信。時々ノドグロ釣りをすることから、相模川の少し沖が深海魚が生息する深さであることは知っていたものの「砂浜に深海魚が打ち上げられているのをみたことがなかったので、かなり驚きました」と、たま勤王党さん。

リュウグウノツカイの全身像(たま勤王党さん提供)

 驚きのままに、姿を撮影して「湘南の海にすげーのが打ち上がってた」とツイートし、日没後に魚に詳しい知り合いを案内して詳しく調べたところ、体長は3メートルあることが分かったのだとか。表になっている面はカラスなどに食べられたのか目がありませんでしたが、裏面には目もちゃんと残っていました。

表側は目が失われていた(たま勤王党さん提供)

裏側は目がしっかりと残っていた(たま勤王党さん提供)

 この時は、知り合いの方と一緒にたま勤王党さんのお子さんも同行。リュウグウノツカイを見つけたことを話したら、ぜひ見てみたいと興味を示したのだそうです。

 「基本的には普段塩対応ですが、リュウグウノツカイの話をしたところ、絶対行きたいという感じだったので、貴重なものであることは伝わったと思います。大興奮というわけではありませんが、それなりに楽しんでくれていたようです」

 自分が手を広げたよりも遥かに大きいリュウグウノツカイを見て、お子さんも驚かれたのではないかと思います。これほど長い魚を見る機会というのは、そうそうありませんものね。

 浜辺に打ち上げられて時間がそれほど経過していなかったらしく、死んでしまうと失われてしまう顔や背ビレの赤い色や、銀色の表面に浮かぶ模様も鮮明。まだ食い荒らされておらず、全身をじっくり観察することができました。

顔の赤い色も残存(たま勤王党さん提供)

表面に浮かぶ模様(たま勤王党さん提供)

 リュウグウノツカイは網にかかると豊漁をもたらすとも、また天変地異の前触れともいわれ、伝説に包まれた存在。ここは素直に遭遇した幸運を考え、年の初めから縁起がいいと考えた方が良さそう。たま勤王党さんご一家にも、この1年に良いことがあるといいですね。

<記事化協力>
たま勤王党さん(@yasuyuki_t)

(咲村珠樹)