新年を迎えた今、子どもに何か習い事をさせようと考え始めている方も多いのではないでしょうか。その選択肢に「クラシックバレエ」はいかがでしょう?

 バレエといえば「姿勢が良くなる」というメリットがよく知られていますが、それ以外にも記憶力強化や礼儀・協調性の習得にも実は役立つのです。

 本稿では、6歳にバレエを始めて現在21年目の筆者が、幼稚園~小学生の子どもがバレエを習うメリットを4つにわけ詳しく紹介していきます。ぜひ、習い事選びの判断材料にしてくださいね。

バレエを習うメリット(1):一生ものの財産となる「美しい姿勢」が身に付く

 バレエのメリットとして「姿勢が良くなる」というのは最もメジャーなものだと思います。

 クラシックバレエにおいては、常に背筋(せすじ)を伸ばし、首を長く保つよう指導されます。大人から始めても姿勢改善の効果は得られますが、幼少期から始めればより効果的です。

 筆者の個人的感想ですが、ここ数年の子ども(といっても筆者もまだ20代の若輩者ですが……)は、幼い頃からスマホに慣れ親しんでいる影響なのか、肩が内側に巻いている「巻き肩」や、首が前に出ている姿勢の子が多いように思います。姿勢が悪くなると、腰痛や肩こりなどの不調に繋がりますし、内臓のパフォーマンス低下などさまざまな悪影響を及ぼします。

 姿勢は一朝一夕で変わるものではありません。子どものうちからバレエを習うことで、一生ものの財産となる「美しい姿勢」が身に付きます

バレエを習うメリット(2):意外と「筋力」がつく

 バレエを習うメリットとして、柔軟性が増すことが挙げられます。特に、子どものうちからバレエを始めれば、身体が柔らかくなりやすいです。高い柔軟性は怪我のしにくさにも繋がるため、仮に将来ほかのスポーツに転向したとしても役立ちます。

 柔軟性とは少し違い、また意外に思われるかもしれませんが、バレエでは筋力もつきます。身体をコントロールし、トゥシューズでつま先立ちをするには脚の筋肉インナーマッスルが必要なのです。この点においても、将来バレエから離れ別のスポーツに移ったときに、バレエで培った強い体幹や脚力が役に立つでしょう。

バレエを習うメリット(3):礼儀や協調性が身に付く

 バレエは芸事の世界。礼儀には厳しいです。挨拶、目上の人への接し方、集団行動での配慮などさまざまなことを教えられます

 もちろん教室や先生にもよりますが、個人的には「挨拶」に関して特に厳しく指導されたように思います。教室に入るとき、帰るときの挨拶、発表会などでお世話になるスタッフさんへの挨拶、ほかの教室の方に会ったときの挨拶など、厳しく指導されてきました。

 また、バレエでは大勢の人と合わせて踊る群舞(コール・ド)というものがあります。幼稚園〜小学生の場合、ソロの踊りが与えられることはほとんどないため、必ず経験します。

 コール・ドでは、立ち位置、頭の角度、目線、呼吸、タイミングなど、周囲の人を感じながら踊ります。そのため、協調性が身に付くことも、バレエならではのメリットです。

バレエを習うメリット(4):記憶力強化に役立つ

 筆者が個人的に感じているバレエのメリットの一つとして「記憶力強化」があります。

 バレエのレッスンでは、通常、その場で先生が動きの組み合わせ(バレエ用語ではアンシェヌマンといいます)を考え、それを覚えてすぐに実践します。そのようなやりとりが、レッスン中20〜30回ほど繰り返されるのです。(幼稚園〜小学生の場合は、もっと少ないですが)

 この「その場で動きを覚えて実践する」ことが、記憶力強化に繋がるのではないかと筆者は考えています。ただボーッと先生の動きを見ているだけでは覚えられないため、動きを分解して覚えたり、自分でやってみて覚えられたか確認したりする「工夫」が、「物事を記憶する訓練」をしているように思うからです。

 バレエを習うことで急激に記憶力が向上するわけではないですが、「物事を分解して捉える」「自分なりに覚え方を工夫する」ことは記憶力強化に繋がり、勉強などバレエ以外でも役立つのではないかと思います。

メリットたくさんのバレエ!ぜひ体験レッスンから始めてみて

 筆者が思うバレエのメリットを4つ紹介しました。これらのメリットに魅力を感じた方は、ぜひお子さんにバレエを習わせてみてはいかがでしょうか。

 ほとんどのバレエ教室で体験レッスンを行っています。「今までの人生でバレエに触れたことがない」という方は、一度体験レッスンを受けさせてみて、バレエの魅力を実感するのもおすすめです。

 筆者が以前執筆した「バレエ教室を選ぶときの着目ポイント」や「バレエの始め方・費用」の記事もぜひ参考にしてみてください!

(上村舞)