小さい頃に遊んでいたおもちゃ、今どうしていますか?成長や引っ越しのタイミングで処分され、手元にない場合が多いとは思いますが、今でも思い出の品として大切にとっている人もいます。

 Twitterユーザーの「幽波紋Z」さんは、幼い頃に遊んでいた自身のおもちゃを我が子に与えたところ、熱心に遊んでくれたそうです。遊び尽くされ、ボロボロになったおもちゃからは、親子2代にわたる歴史を感じさせます。

 これらのおもちゃは、幽波紋Zさんが親御さんから買い与えられたり、ご近所から譲ってもらったりした品。主に1970年代のロボットアニメやSFアニメ、特撮シリーズの商品、特にポピー(現:バンダイ)の「超合金」シリーズや「ポピニカ」シリーズが多いようです。

 今まで保管されていた事情についてうかがうと「小さい時に引っ越しをしたんですが、その時母が保管していたようで、私が親になった頃、たまたま出てきたという感じですね」とのこと。お子さんが生まれたことを察して、おもちゃたちが姿を現したようにも思えます。

 お子さんは男の子2人の兄弟。8歳差だそうです。たまたま長男さんに気まぐれで自身が遊んでいた古いおもちゃを与えてみると、すぐに持って逃げたんだとか。「それが面白くて、おもちゃの入っている箱ごと与えました」と、お子さんに与えたきっかけを明かしてくれました。

 幽波紋Zさんからは、それぞれのおもちゃについて、思い出もうかがいました。まずは1978年放送開始の「SF西遊記スタージンガー」から、主人公のジャン・クーゴが乗るスタークローと、サー・ジョーゴの乗るスターカッパーは。弟さんと一緒に買い与えられたものだったそうです。スタークローは、もう胴体部分しか残っていません。

「SF西遊記スタージンガー」のスタークローとスターカッパー(幽波紋Zさん提供)

 「私がスタークロー、弟がスターカッパーを持っていました。長男はスターカッパーより、スタークローに興味を示し遊びまくり、気がつくと私以上に壊してましたね」

 また、ジャン・クーゴの超合金フィギュアも、弟さんと1つずつ、2つが継承されました。これについては、長男さんはあまり興味を示さなかったものの、おもちゃ全般が好きな次男さん(4歳)が遊んでいるそうです。

「SF西遊記スタージンガー」ジャン・クーゴの 超合金フィギュア(幽波紋Zさん提供)

 続いて、1975年に放送の始まった「勇者ライディーン」の超合金。ゴッドバード形態に変形できる仕組みで、当時大ヒットしたおもちゃでした。

「勇者ライディーン」の超合金(幽波紋Zさん提供)

 これも弟さんと1つずつ、計2つがお家にあったそうです。「私たち兄弟は年子のため、1歳しか年がちがいません。そのため、どのおもちゃもとりあいになっていました。そこで、親は喧嘩しないようにと、同じ物を与えるようにしたのではないかと思います」と語ってくれました。

 このほかにも1976年から放送された「大空魔竜ガイキング」からは、大空魔竜の超合金。また、1978年放送開始の「無敵鋼人ダイターン3」からは、ダイターン3の超合金も並んでいます。ダイターン3はもらい物で当時から頭がなかったそうですが、幽波紋Zさんが遊ぶ途中で腕もなくなり、胴体と足だけになってしまったとか。

胴体と足だけになったダイターン3(幽波紋Zさん提供)

 アニメだけでなく、特撮作品のおもちゃもあります。東映の戦隊シリーズ第1作となった「秘密戦隊ゴレンジャー」に登場する飛行メカ「バリドリーン」の姿も。

 「ゴレンジャーが好きだったみたいで、私はゴレンジャーのおもちゃをたくさん所持していたようです。バリドリーンは、長男の時に羽が展開する部分が壊れ、次男が最後まで遊んで完全に壊れたので、現在は処分してしまいました」

 次男さんは戦隊モノが大好きだそうで、今は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」がお気に入り。そして、幽波紋Zさんが遊んでいた「ジャッカー電撃隊」の移動要塞スカイエースや、長男さんが遊んでいたスーパー戦隊シリーズのおもちゃも分け隔てなく、一緒に遊んでいるそうです。

「ジャッカー電撃隊」のスカイエース(幽波紋Zさん提供)

 ほかにも1977年放送開始の「惑星ロボ ダンガードA」や、ゴレンジャーのアカレンジャー、1976年放送開始の「ザ・カゲスター」など、ソフビ人形もいろいろ。

アカレンジャーやカゲスターのソフビ人形(幽波紋Zさん提供)

 ご自身の幼い頃とお子さんとを比べると、遊び方に違いもある、と幽波紋Zさんは語ります。

 「ソフビ人形、私の時は砂場とかで遊んでいましたが、長男、次男はお風呂で遊んでいました。次男は今も遊びますが」

 このところ、衛生面の管理が難しいこともあって、公園や遊び場に砂場が少なくなっていることが影響しているのかもしれません。同じおもちゃでも、世代によって遊ばれる場所が違うというのは興味深いですね。

 当時のおもちゃを大切に保管することも大事ですが、このように思いっきり遊んでもらうのも「おもちゃ冥利」に尽きることではないでしょうか。あちこちが壊れ、原形をとどめないものがほとんどですが、おもちゃの側も「ここまで遊んでくれてありがとう」という気持ちかもしれませんね。

<記事化協力>
幽波紋Zさん(@kuromi8046)

(咲村珠樹)