男女問わず、一度はしたい・されたいと思う「お姫様抱っこ」。腕力や相手の体重ではなく、実はそれ以外のところにコツがあるんです。これまでに2000人以上をお姫様抱っこしてきたという、筋肉紳士集団「ALLOUT」のAKIHITOさんは、Twitterで「一番抱っこしやすかったのは95kgのプロレスラー」だったと告白しています。

■ 男女問わず評判のいい「お姫様抱っこ」

 片方の腕で背中を、もう片方の腕で膝を下から支え、体の正面でさし上げる「お姫様抱っこ」。フィクションの世界ではポピュラーな表現ですが、現実の世界でも結婚式などで挑戦する姿を目にすることがあります。

 イベント「マッスルカフェ」や「マッチョフリー素材」など、さまざまなイベントや情報発信を通じ、フィットネスの浸透に力を注ぐ筋肉紳士集団「ALLOUT」では、イベント中にお姫様抱っこをする機会も多いとのこと。代表のAKIHITOさんは、次のように話します。

 「女性からは『安定感がすごい』『父親以外の男性に初めてされた』『乙女になれた』などの声をよくいただきます。『冥土の土産に』と言ってお姫様抱っこされるご高齢の方もいらっしゃいましたが、やはり女性はいくつになっても『女の子』ですし、お姫様抱っこへの憧れはあるのだと思います」

 ニコニコ超会議など、イベント会場内をお姫様抱っこで移動する「マッスルタクシー」では、希望する方の約半数は男性だそうで、もちろん男性に対しても「お姫様抱っこ」をしています。やはり非日常な体験は、心躍るものがあるようです。

 「男性も『キュンとした』『お姫様抱っこされたくなる気持ちがわかった』と喜んでいただきます。特に、100kgを超える男性をお姫様抱っこすると『小学校卒業して以来初めて持ち上げられた』と感動いただくこともあります」

■ 過去一番しやすかったのは「体重95kgの男子プロレスラー」

 男女問わず、されてみると嬉しい「お姫様抱っこ」ですが、その見かけから筋力をかなり必要とするのでは、というイメージがあります。しかし意外にも、これまで2000人以上お姫様抱っこしてきた中で、一番しやすかったのは体重95kgのプロレスラー(男子選手)だったのだとか。

お姫様抱っこを一番しやすかったのは95kgのプロレスラー(スクリーンショット)

 「持ち上げる瞬間にご自身も少し飛びつくような形で乗り込んでくださり、僕の腕と胸元に吸い付くようにスムースに入ってこられました。なので持ち上げる負荷も軽く、抱っこされているときのバランスもよく非常に力を使わず抱えることができました。いつもと違った初めての感覚で感動したのを覚えています」

 プロレスの世界ではよく言われることですが、投げ技を受ける時はもがいてこらえるより、自分から「投げられる」ようにすれば受け身も取りやすく、投げる側も自分も怪我をしにくいのだそう。ひょっとしたら、このプロレスならではの体の使い方が、お姫様抱っこされる時も発揮されたのかもしれません。

■ 上手な「お姫様抱っこ」のコツ

 力が強くないと無理という気もするものの、実は「お姫様抱っこ」はする側とされる側、双方の協力によって大きな力を使わなくても可能になります。AKIHITOさんは、続くツイートで「上手なお姫様抱っこのされ方」についても、4つのポイントでレクチャーしています。

・片腕はマッチョの首にかけもう片方の手でその手をしっかり握る
・足は揃えて股関節と膝を曲げる
・体を極力マッチョにくっつけ身を預ける
・マッチョを信頼する

 ここでの「マッチョ」は、お姫様抱っこをする側、と読み替えて大丈夫。肩に手を回すことで腕への負担が減り、足は椅子に腰掛けるような感じで曲げて身を預けます。一番抱えづらいのは、体をピンと伸ばした姿勢なんだとか。

 「そうすると、負荷が分散されず腕(上腕二頭筋)へほとんど負荷がかかってしまうのでかなりキツくなります。マッチョでも腕だけの力だとそれほど長い時間キープすることが難しいです。また、重心が外側にいってしまうのも、バランスが取りづらくなります」

 お姫様抱っこする側の方では、なるべくお互いの体を近づけ、腕力に頼らず抱え上げる人の腰が自分の重心と重なるような感じにすると、あまり重さを感じません。筆者も自分より10kg以上重い人を「お姫様抱っこ」した経験がありますが、こうすることで負担感も大きくなりませんでした。

 AKIHITOさんをはじめ「ALLOUT」の皆さんは、誰でも、どんな姿勢でも安全な範囲内で極力抱っこしてくれるとのこと。現状では130kgまではOKだそうですが、過去に一度だけ、断念してしまったことがあるといいます。

 「以前一度だけ150kgの力士の方はお断りしてしまったことがありましたので、また機会があればお姫様抱っこさせていただけるよう、筋トレと抱っこの鍛錬に励みたいと思います」

 一般の方も、これらのコツをマスターすれば、憧れの「お姫様抱っこ」が実現できるかもしれません。しかし無理は禁物。腰を痛めたり、倒れて怪我したりしないよう、無理そうな時には早々に諦めることが肝心です。

<記事化協力>
筋肉紳士集団「ALLOUT」AKIHITOさん(@AkihitoAll)

(咲村珠樹)