学生の頃からの漫画アニメ好きというママりこさんのバイブルは「魔法陣グルグル」。原作はもちろん、3度のアニメ化も全て“完走”しています。

 近頃はファンアートに興味を持つも、色々調べるうちに「特に髪の毛が凄く難しそうで……」と悩んでいました。そんなとき思い出されたのが、1人だけ髪が必要ない「推し」。創作活動の「入門編」として制作してみることにしました。ヒ~ラリヒラヒラヒヒラリラ~。

「セリアのドールボディとヘッドで好きなキャラを作りたい欲が高まり…初心者なので、まずは髪の無いキタキタおやじで入門。
後頭部が平べったいし穴あるけどどうするのが良いか分からんから放置。
ボディが品切れだけど、そのうちニケとククリも作りたいな」

 自身のTwitterで処女作を公開したママりこさん。つぶやきの通り、制作したのはなんと「キタキタおやじ」。

 グルグル劇中で、どこからともなくやってきては「キタキタ踊り」を都度披露する中年男性キャラは、幼少期にアニメ第1作を視聴していた筆者にとっても、担当声優の緒方賢一氏の声も含めて、強烈なインパクトを与えました。

 そんなアクの強いキャラクターとは対照的に、スキンヘッドに草冠と腰みののコスチュームという、さっぱりさっぱり~な風貌がキタキタおやじ。「入門にピッタリでしたね」と、ママりこさんは、セリアで販売展開されている「ドールボディ」で再現に挑戦。

 かつて、ノートに好きな漫画アニメキャラを落書きしていた経験を生かし、顔部分は白髭を蓄えた細目の男性へ描写。そして両脚のすね毛も克明に再現しています。

 ちなみにこのすね毛が、作品としてのこだわりだそう。「1度描いたものが、毛の太さや濃さのバランスが気持ち悪く感じて、全て消して描き直しました」とのこと。

 一方、キタキタおやじの代名詞ともいえる、腰みのや草冠の装飾は、初のものづくりのママりこさんにとって、大きなハードルになりました。

 「腰みのは、葉っぱで編む方法を参考にして、刺繍糸で一束ずつ手作業で結んで編みました。アクセサリーは樹脂粘土を使ったのですが、初めてだったので苦戦しましたね。薄手のゴム手袋をつけてこねたのが良くなかったのか、手袋にベタベタと粘土がくっついてしまって。“カス”がついた手袋での作業は大変でしたね……」

 はじめは「ねんどろいどで発売していない『推しキャラ』を作りたい!」という想いから、創作に挑戦したママりこさん。

投稿者にとってはじめての本格的なものづくり。

 調べていくうちに、その困難さから一度は挫折しかけましたが、それでも諦めずに推しを作り上げることに成功しました。

 初めてとは感じさせない再現性の高さには、筆者を含めた多くのユーザーに驚きと懐かしさを提供。いつの日かここに、ニケやククリたちが並ぶときを心待ちにしております。

<記事化協力>
ママりこさん(@remi_remiberry)

(向山純平)