芸は身を助ける、ということわざがありますが、意外なところで身につけたスキルが役に立ったりするもの。無駄だと思っていたことも、どこかで活用できる場面があるかもしれません。

 おたくとしての活動、いわゆる「オタ活」で身につけたスキルも同じ。子育ての場面で「おたくスキル」が役立っているという漫画がTwitterで注目を集めました。

 これまでのオタ活で培ったスキルが子育てに大活躍!という漫画をTwitterに投稿したのは、1児の母である「ゆり」さん。小学生の頃から漫画やお絵描きが好きで、高校時代に友人とコスプレ衣装を作ったり、さらに同人誌を作ったりするなどしてきたといいます。

 漫画で挙げられた「子育てで役立っているおたくスキル」は4つ。ヘアカット、服作り、イラスト、グッズ制作と、どれも今までのオタ活で磨いたものばかりです。

 コスプレ衣装作りの一つとしてウィッグのカットをしていた経験は、お子さんのヘアカットの時に役立ちました。

 お子さんが人見知りするタイプで、触られるのも嫌がることから、お店で切ってもらうのは難しいと考えていた時、ふと思い出してチャレンジ。思いのほか上手くいったそうです。「でも動き回るので毎回苦戦してます」と苦笑まじりに話してくれました。

 コスプレ衣装作りの経験は、子ども服の服作りや小物作りで役立っている他、コスプレ衣装作りから裁縫が楽しくなって、ここ数年は雑貨屋さんに小物を置いてもらうほどの腕前になったことにまで繋がっています。

ウィッグをカットしていた経験が我が子のヘアカットに(ゆりさん提供)

 またイラストやグッズ制作の経験は、イラストで日記を描いたり、オリジナルグッズを作ったりする時に役立っています。グッズは特に、遠方にいるお祖父様・お祖母様に喜ばれているそうです。

イラストやグッズ作りのスキルも役に立つ(ゆりさん提供)

 ゆりさんはママ友の皆さんに、物を作るのが好きで、漫画おたくであることは伝えているのだそう。新しい小物や服を見て、作ったの可愛いねと褒めてくれるママや、私も作ったよと話してくれるママもいて、会話の種にもなっているそうです。

 あわよくば、ママ友の中でおたく仲間が見つからないかとも思っているそうなのですが、残念ながらまだ出会えてはいないとのこと。同志ができると、より楽しくなりそうな気がしますね。

 服を着る側であるお子さんの反応をうかがうと、まだ小さくてデザインについては理解が及ばないようです。でも、着心地にはうるさく、時にはダメ出しされることもあるんだとか。「もう少し大きくなったら、どの布で作ろうか?と会話して、選んでもらって……ができるかなと楽しみです」と将来の希望も語ってくれました。

 ご自身では、おたくスキルが子育てに役立つとは思わなかったそうで「産後1年はとにかく寝不足で何もやる気が起きなくて。我が子が夜に眠ってくれるようになって、あれしてみよう、これしてみようとすることが大体おたく経験で培ったものでした」と振り返っています。創作欲がうまくマッチしたのかもしれませんね。

 ゆりさんは「衣装を作るのが、絵を描くのが、恥ずかしくて友達にも親にも言えない趣味でした。でも今、子育てをしていて何かと役に立っています。何かに熱中して身についた事は、いつか役に立つかもしれない、無駄な事はないんだなと思います」と語っています。視野を広げてみれば、自分の経験が役立つ場面がいろいろあるのかもしれませんね。

<記事化協力>
ゆりさん(@kokawabot)

(咲村珠樹)