「絵の具の冷奴を筆で食べる」

 ツイッターにてこうつぶやいたのは「めし絵師」こと写実絵師の山田めしがさん。文字だけだと思わず首をかしげてしまう内容ですよね。でも、あわせて投稿された動画を見れば、その意味が分かるはず。

 そこには、冷奴が本物そっくりに描かれていく様子が映っていますが、完成した直後から、さらに絵が上書きされていくではありませんか。まるで冷奴が食べられていくかのごとく……!

 冷奴は少しずつ食べ進められ、動画の終わりには、しっかり完食となりました。いやはや、それにしてもまさか本物そっくりに描くだけでなく、食事を進める様子まで描いてしまうとは、何ともユニークな発想にびっくり。

 実は以前にも、絵の中で展開、変化する作品を多数描いてきた山田さん。今作も、自宅で冷奴を食べている際に、その様子を作品として表現できそうと思ったのがきっかけでした。

 ツイッターに投稿されているのは、描く様子を倍速にしたわずか26秒の動画ですが、完成までに実際に要した時間はトータル30時間ほど。

 もちろん、単純に上書きしていくだけでなく、豆腐をお箸で食べ進める際の不規則な断面や、食べ終わった際に残る醤油やネギ、掬いきれなかった豆腐のかけらまでが、リアルに描かれています。

はじめはリアルな冷奴の絵

少しずつ食べられていきます

断面を醤油がこぼれる様子も

箸による不規則な断面も再現

残りはあとわずか

食べ終わった後の様子まで忠実に描かれています

 投稿に寄せられた「いいね」の数はなんと14万件にのぼる大反響。「ほんとに筆で冷や奴食べてる……!」「発想も技術もすごすぎる」といったコメントが次々に寄せられるなど、多くの方が思わず動画に見入ってしまったようです。

 実は山田さんには、「絵師」だけでなく「調理師」という一面もあり、食べ物には強いこだわりを持っています。投稿に添えられた「多分私しかやってない」というハッシュタグ通り、二足のわらじを履く山田さんだからこそ描けた作品と言えるでしょう。

 なお、作品が出来上がっていくところをもう少しゆっくり見たい!という方に向けて、山田さんのYouTubeチャンネル「山田のリアルな飯画【めし絵師】」では、動画のロングバージョンも公開されています。

<記事化協力>
山田 めしが【写実絵師】さん(@meshieshi)

(山口弘剛)