リズムが良い言葉はつい声に出して読みたくなるもの。こうした言葉は「七五調」や「八五調」と呼ばれるものが多く、商品名やキャッチコピーに用いられるテクニックとしても活用されています。

 しかし中には、単語同士の組み合わせで偶然リズムの良い言葉が生まれることも。ツイッターユーザー「りん」さんが投稿した、道路標識の写真に書かれた3つの地名は、まさに声に出して読みたくなる組み合わせでした。

 その地名とは「鹿児島」「霧島」「桜島」の3つ。4・4・5の文字数で「八五調」が成立していることに加え、3語共に語尾に「島」が付き脚韻が踏まれていることで、より小気味良いリズムを生み出しています。

 現役大学生のりんさんは、少し変わった道路標識の撮影が趣味。全国各地を行脚しながらコレクションしています。中でも「指定方向外進行禁止」標識の、通常とは異なるものを「異形矢印」と呼んで、自身のホームページに掲載するというとてもユニークな活動を行っています。

 今回の標識も、そんな全国各地を巡る活動の中で、鹿児島県垂水市にある「上町交差点」にて撮影したもの。「異形矢印」を撮影するための道中でしたが、「お尻の文字が『島』で並んでいて、なんだか鹿児島らしいな」と感じたことから、訪鹿の記念にパシャリ。

 その日の撮影を一通り終えた後、写真を見返して地名を何となく口にしたところ、その語感の良さにびっくり。「これはすごい!」とツイッターでつぶやくと、投稿には大きな反響が寄せられることとなりました。

 コメント欄には同様に七五調や八五調の言葉を紹介するものや、「4つ目に黒霧島混ぜてもばれないやろ」「右の数字がアルコール度数にしか見えないw」と焼酎の銘柄を連想する声が多く寄せられています。

 中には「日常すぎて何が珍しいのか全然分かりませんでしたw」「県外の人が見たらそんなふうに見えてるんですね」と、鹿児島県民からの声も。かくいう筆者も鹿児島出身者ですが、見慣れた地名の組み合わせがこんなに語感が良いとは……。ツイートを見るまでは思いもよりませんでした。

 投稿に寄せられた多くの声に対し、りんさんは「たくさんの方に語感の良さをシェアできてうれしいです」と喜びの気持ちをコメント。「私自身、道路標識趣味をいろんな方と共有するためにツイッターをやっているので、道路標識で話題を作れたのはまさに本望という他ありません」と、今回の反響を感慨深く感じたようでした。

 いつも目にするものでありながら、よく見てみると様々な発見のある不思議な道路標識の世界。もしかするとあなたの身近にも、アッと驚く面白い標識があるかもしれませんよ。

<記事化協力>
りん@異形矢印の人さん(@unusuarrows)

(山口弘剛)