「5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)」という言葉があるほど、仕事の生産性向上のために「整理整頓」は不可欠です。

 環境整備コンサルタントの小早祥一郎さんが、実際に向上した「好事例」をTwitterに紹介。大きな注目を集めています。

 「ケーブル類は、どうしてもグチャグチャに乱れがち。でも、こうして、書類用のクリアケースを使って収納すれば、取り出しやすく美しく整頓することができる。支援先の好事例」

 小早さんは、2009年に株式会社そうじの力を創業。「企業のそうじ(掃除)のトータルプロデュース」を理念として掲げ、これまでに約500社のサポートを行ってきました。

 Twitterでは、「環境整備一日一言」と題し、「そうじ」に関するミニ知識を投稿。この日のツイートもそのひとつで、サーバー保守企業のデータライブ株式会社の、埼玉県久喜市にある関東ストックセンターにて実践した事例だそうです。

 画像では、様々な形状のケーブルが書類用のクリアケースに収納され、棚に縦置きで陳列されている様子が写されています。下部分には、敷居を置いてそれに備品を収納しているようすも確認できます。散乱しがちなケーブル類ですが、これなら視認性も良く、すっきりとした印象を与えます。

支援先の事例と語る小早さん。従業員の「創意工夫」によってもたらされたと言います。

 この投稿には、1万を超えるいいねに、「これは便利」「参考にします」といった反応や、「ジップロック」「トイレットペーパーの芯」でやっているという声も寄せられる反響となっています。小早さんによると、今回の整理整頓術においては、2つの過程が「ミソ」だったとのこと。

 「ひとつは、ここに至るまでに徹底して『不要なモノは捨てた』ということです。それを残したままだと、機能的に収納することが出来ないためですね。ケーブル類は当初、山のようにあったのですが、一つ一つを確認して、必要最小限にまで減らしています」

 「もうひとつは、『現場の社員のアイデアによって実践した』ということです。収納方法に絶対的な『正解』がない中で、『創意工夫』によって発揮された今回の投稿は『好事例』なんです」

 企業がそうじ(整理整頓)をすることは、ミスや事故の減少、仕事の効率化、問題解決力や創意工夫力の向上、組織内のコミュニケーションの促進に繋がる、と小早さんは語ります。「実際、多くの支援先でそういった声は届いております」とのこと。

 一方それは、当事者である従業員の協力も欠かせません。飲食業では、「Q(クオリティ)S(サービス)C(クリンリネス)」という言葉があるほど、清潔感は不可欠な要素であり、重要な「仕事」。しかし、一見すると、「売上」といった目に見える数字に反映されないと感じられるためか、見落とされがちです。

 「1万3000も『いいね』がついたことは率直にびっくりです。それだけ皆さん困っているのかもしれませんね……お役に立てたなら何よりです」

 一連の反響について、小早さんは最後このように振り返っていました。

<記事化協力>
小早祥一郎さん(@soujinochikara)
株式会社そうじの力

(向山純平)