歩き始めたばかりの小さな子どもが、キュッキュッと音が鳴る靴を履いている姿は、とてもかわいらしいですよね。見ているだけでも微笑ましいものですが、あれって実は、ただかわいいから、子どもが喜ぶから、という理由だけで履かせているのではありません。

 「独身の時の自分」と「親になった自分」という立場から、音の鳴る靴に対してそれぞれ異なる印象を持った、というツイートに大きな反響が寄せられています。

独身の私

「ちっちゃい子のはいてる靴、歩くとキュッキュキュッキュ鳴るの可愛い~!でも音がけっこうでかいのね~もうちょい小さい音ならもっと可愛いのに」

親になった私

「今ならわかる……あれは超アナログGPS……少し目を離せば忽然と消える幼児の位置を、親に知らせるための見守り対策……」

 このようにつぶやいたのは、ツイッターユーザー・焼き昆布(マンボウメンタル)さん(@Wwmajidesorena)。そう、あのキュッキュ音は、実は迷子防止という点でも役立っているのです。

■ 音が居場所を知らせる「発信機」代わりに

 焼き昆布さんのお子さんは現在1歳半で、最近音の鳴る靴を履き始めました。ある日、家の周囲を散歩していたところ、お子さんが軒先の置き物に気を取られて立ち止まりましたが、焼き昆布さんは音が聞こえなくなったことですぐに気づくことができたそうです。

 たしかに、この頃の子どもは少しでも目を離すと、すぐに見えないところに行ってしまいがち。そんな時に、この音が鳴る靴は、自分の居場所を知らせるための「発信機」として、一定の効果を発揮していると言えるでしょう。

 あまり騒がしいところでは音が聞こえなくなってしまうこともありますが、日常的な散歩や公園遊びなどであれば、効果は十分。思いがけない事件や事故に遭遇しないための、防犯安全対策の一環として、小さなお子さんに履かせるのはアリだと思います。

■ 履かせる時は周囲への配慮も忘れずに

 一方で、音が鳴る靴を履かせる時は、周囲への配慮も忘れないようにしたいところ。焼き昆布さん自身も、独身時代の印象として「もうちょい小さい音ならもっとかわいいのに」としているように、思いのほか大きい音が鳴るんですよね。

 これが病院や図書館など、静かにすることが必要な場所であればどうでしょうか。親にとっては「かわいい、居場所がすぐわかる、子どもが喜ぶ」というものでも、周りの人からしたらちょっと考えてほしい……と思われてしまうこともしばしば。

 「親も病院やら音が響くとこには履かせていかないという配慮をするべきだと思う」と焼き昆布さんも言うように、TPOをわきまえて使用することが大前提。まずは靴を購入する親が、正しい認識を持ち合わせることが必要でしょう。

■ 当然、目を離さないようにすることが重要

 もちろん、音が鳴る靴を履いているから、といって子どもから目を離して良いわけでもありません。音が鳴ることはあくまで補助的な意味合いとして理解し、子どもから出来る限り近くにいる、目の届く範囲で遊ばせることが重要です。

 こうした配慮がなされたうえでの使用であれば、親も周囲の人々も、音を鳴らして楽しそうにする子どもを、温かい目で見守ってあげたいですね。

<記事化協力>
焼き昆布(マンボウメンタル)さん(@Wwmajidesorena)

(山口弘剛)